福島県国見町長に村上氏 刷新訴え初当選 現職と元町議の新人下す
任期満了に伴う福島県国見町長選は10日、投開票され、元県県南地方振興局次長の新人村上利通氏(60)=無所属=が2515票を獲得し、再選を目指した現職引地真氏(64)=無所属=、元町議の新人松浦和子氏(75)=無所属=を破り、初当選した。 村上氏は企業誘致を通した商工業支援や少子高齢化対策の推進などを政策の柱に据えた。町が中止した高規格救急車研究開発事業について現職の責任を追及し、大票田の藤田地区を中心に幅広く支持を集めた。現町政に批判的な有権者の受け皿になったとみられる。 引地氏は1期4年の実績を強調し、町政の継続を訴えた。子どもや保護者への支援の拡充や、小規模工業団地の造成などを公約に掲げたが町政の刷新を求める流れを止められなかった。 松浦氏は子育て環境や防災の充実などを公約にしたが広がりに欠けた。 当日有権者数は7223人(男3489人、女3734人)。投票率は71・81%(男71・08%、女72・50%)で、選挙戦となった前回2020(令和2)年の73・18%を1・37ポイント下回り、過去最低を更新した。
任期は27日から4年。当選証書付与式は11日午前10時から町役場で行われる。 ◇ ◇ 町内藤田の村上氏の事務所には10日夜、支持者が詰めかけ、当選の知らせに歓声が湧いた。 ■期待の声に応える 村上利通氏の話 町民と対話を重ねる中で古里の課題や問題点などについての声を数多く頂いた。未来を展望し夢を持って暮らせる国見町にしていく。町民の期待に応えるため、全力を尽くす。 村上 利通(むらかみ・としみち)国見町出身。福島高、東北大経済学部卒。1987(昭和62)年に県職員となり、生活環境総務課長などを歴任。今年3月、県南地方振興局次長で退職した。自宅は国見町徳江字佐野台31。 【国見町長選開票結果】(選管最終、敬称略) 当 2,515 村上 利通 60 無新 ◎ 2,031 引地 真 64 無現 577 松浦 和子 75 無新 無効 61 ◎は当選者以外の法定得票数獲得者