定例記者会見で公益通報窓口の増設を検討する方針について説明する伊原木知事

　岡山県の伊原木隆太知事は23日の定例記者会見で、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を踏まえ、内部告発を受け付ける岡山県の公益通報体制について「私の影響力を及ぼすことができない県組織の外に通報窓口があるべきだ」と述べ、職員が通報しやすい外部窓口の新設を検討する方針を明らかにした。 　伊原木知事は岡山県で現在、県人事課の窓口と県警OBが務めるコンプライアンス監視員が公益通報を受け付けていることに触れ、「いざというときに備えて形を作っておくことが非常に大事で、あまり時間をかけないタイミングで（新たな窓口を）設置したい」との考えを示した。 　兵庫県では斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発した元幹部職員の男性が懲戒処分を受けた後に死亡。自殺とみられている。伊原木知事は一連の問題に関して「（斎藤知事は）知事仲間では評判が良く、ちょっと信じられないというのが多くの知事の実感だろうが、このような事態に至ったことは事実」と語った。 　岡山県によると、これまでに県の公益通報制度が活用されたのは2016年度の1件のみ。県は今後、外部の弁護士に委託して通報窓口を設けている他県の事例を参考に具体的な制度設計を進める。