疲れを癒やしながら愛を囁く…まるでホストクラブ? 歌舞伎町の″色恋セラピスト″にご注意
推しセラピストに色恋を求めるお客さんも…… 歌舞伎町のリラクゼーション店事情
妙に台湾式足ツボリラクゼーションの路面店が多い歌舞伎町。半径300m以内に同じような価格帯の店が10軒以上あるにもかかわらず、新店舗がオープンし続けている。今年4月にオープンした『御足苑(ぎょそくえん)』もその一つだ。 「ムショ行きになるよ」…法外な料金取り立て「女性客を風俗店に紹介のホスト」の戦慄素顔【写真】 「中国から日本に来たのは17年前です。最初は大阪で留学しながら働いて、8年ほど前に歌舞伎町の足ツボ屋で働き始めました」 そう語るのは中国人セラピストの通称″33番″さん。『御足苑』の店長で一番人気の男性セラピストだ。 「最初は指名のお客さんもいないので施術だけでは食っていけず、受付業務と兼業してました。人気が出てくると指名で時間が埋まるので受付はしなくなりましたね。多い時は月に100人のお客さんが指名で来てくれました」(同前) 月間指名本数100本以上だった33番さん。日本語が不得意でもあまり喋らなくていいリラクゼーション系の仕事は他のアルバイトよりやりやすく、留学生などから人気だそう。ただ、歌舞伎町でセラピストとして大成するには、ちょっとしたコツがあるという。 「キャバクラの内勤など革靴で長時間立ってる人、お酒を飲んで人一倍足が浮腫(むく)みやすい女性が多く、週に何回も通うリピーターが主な客層なんです。歌舞伎町界隈は狭いから、口コミや紹介で人気になっていく。みんな職場が歌舞伎町だから指名制に理解があるし、すぐに売り上げに直結します。日本語を喋れないセラピストが多いからこそ、お客さんとコミュニケーションを取らないと」(同前) 給料は完全歩合制で、施術した分だけ給料がもらえるので、指名があればかなり稼げるが、指名客がつかないセラピストらは数少ないフリー指名のお客を取り合うことになる。施術後は自分の番号を書いた名刺を渡してアピールするのが定石だ。しかし、なかには歌舞伎町らしい営業をする男性セラピストもいるようだ。 「お客さんに色恋営業をかけていた同僚がいました。LINEを交換して、恋人みたいな会話をして……みたいな。ホス狂のお客さんの中にはホストと上手くいかなくて、代わりにセラピストに色恋を求める人も少なくない。指名のお客さんからご飯に誘われたり、ホテルなどで性的なことをお願いされて対応しちゃうセラピストもいる。ただ、セラピストがホストみたいなことをして指名を取りに来ると思ってないから、お客さんは本気で恋愛してることが多い」(セラピストのショウ・仮名・22) 拙(つたな)い日本語で愛の言葉を囁(ささや)いていたのがすべて嘘だった……。普段通っているホストクラブ同様、推しのセラピストを作り、色恋を求める顧客とそれに応えるセラピスト。歌舞伎町のらしさが生んだ負の連鎖である。 33番さん曰(いわ)く、指名がなく苦しい時でも、そういった行き過ぎた接客をしないほうが後々お客はついてくるという。彼は指名客しか受け付けず、今では経営者として自分の店も持つに至った。 「小さいお店だし、内装もまだまだだけど、お金をかけて綺麗にして、歌舞伎町の中で2号店を出したいです。スタッフ全員の技術を向上させて、店自体の評判をあげれば、安定して新店舗を増やせます。この街だから出会えたお客さんと稼ぎ方だから、この街のNO.1リラクゼーション店にしたいです」 ホストやキャバクラだけでなく、中国から来たセラピストにとっても歌舞伎町は一獲千金の夢を見られる街なのだ。 『FRIDAY』2024年9月20日号より 取材・文:佐々木チワワ
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