MVP&新人王・山本愛翔、初KO勝利に「ボクシング最高!」 スーパーバンタム級【山崎照朝コラム】
◇コラム「撃戦記」 ボクシングの世界への登竜門「第71回全日本新人王決定戦」(21日、東京・後楽園ホール)で、ミニマム級からミドル級の12階級に新人王が誕生した。私が注目したのはスーパーバンタム級の山本愛翔(18)=カシミ。大会前の戦績は5戦4勝1敗で最年少選手。ビッグな大会に挑んだ。 相手の矢野円来(23)=花形=は4戦3勝(2KO)1分け。KOのない山本はパンチ力に課題を抱えていたが、1回に左フックで2度のダウンを奪い54秒TKO勝ち。ファンを喜ばせた。初のKO勝利に「ボクシング最高!」と、満面の笑みでうれしさを爆発させた。 内容も良かった。無敗でパワーもある矢野に対し、積極的に前へ出てプレッシャーをかけ、左を腹に打ち込む。最初のダウンを奪うと、追い打ちの顔に左フック。レフェリーがノーカウントで止める強打で試合を締めた山本は「結構パワーのある選手。しっかり握って拳を合わせるようにしたので良かったと思います」と振り返った。 大会MVPにも選出され、これで日本ランキング入りも確実。来年、ジムの先輩・英洸貴が東洋太平洋(OPBF)フェザー級王座に挑戦するが、「今はうれしさでいっぱいなんですけど、(英に)バトンをつなげられて良かったです」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
中日スポーツ