富豪主催のトランプ氏資金集めイベント、献金者の顔ぶれ変化映す
(ブルームバーグ): トランプ前米大統領は選挙資金集めに当たり、集会では十分な小口献金を呼び込めていないことから、富裕層やエリート層に頼らざるを得なくなりつつある。
富豪のジョン・ポールソン氏がフロリダ州パームビーチで6日に主催するイベントでは、数十万ドルの小切手を書く寄付者からトランプ氏に3000万ドル(約46億円)が集まる見通し。これはトランプ氏が2日夜にウィスコンシン州で開いた集会であまり裕福でない多くの忠実な支持者らから得た献金額を小さく見せる見込みだ。
こうした状況は共和党の大統領候補指名を確実にしたトランプ氏が向き合う厳しい現実を浮き彫りする。選挙集会は以前ほど資金集めに弾みをつけることはなく、資金面で大きくリードするバイデン大統領との差を縮める手段としては二の次になっている。
トランプ氏、世論調査でリードも資金力はバイデン氏に遠く及ばず
ブルームバーグ・ニュースが連邦選挙委員会(FEC)のデータを使い分析したところでは、2019年の選挙戦では、トランプ氏の集会開催前の1週間で、周辺地域からの資金集め額が平均38%増加した。
今回の選挙戦では、トランプ氏の資金調達額が膨らんだ日は、刑事事件や民事訴訟でリスクが高まった後に同氏が忠実な少額寄付者らに電子メールなどを送ったことが要因だった。ただ、ヘッジファンド業界の大物ポールソン氏が今週末に裕福な寄付者を集めて開くイベントのような富裕層向け会合の方が調達額は大きくなる。
トランプ氏の最近の集会は、スピーカーから鳴り響く音楽「God Bless the USA」や不平不満に満ちた発言、軽蔑的なニックネームなどこれまで通りの演出だが、資金難のため集会開催の時期や場所についてより慎重にならざるを得なくなっている。
トランプ陣営は少なくとも初夏まではイベント開催ペースを週1回程度にスローダウンしていると、上級顧問のクリス・ラシビタ氏は先月、記者団に語った。3月のスーパーチューズデー以降、今月2日に中西部ウィスコンシン州を遊説するまでにトランプ氏が行ったのは、ジョージア州で数千人を集めた集会と、オハイオ州での特別ゲストとしての演説だけだ。