沖縄で子どもの食の支える「タコライスラバーズ」、注目が集まるその取り組みと思いとは？

TOKYO MX（地上波9ch）朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG（モニフラ）」（毎週月～金曜6:59～）。「New global」のコーナーでは、沖縄で広がる“食の支援”について取り上げました。 ◆沖縄で子どもの食を支えるタコライスラバーズ ユニセフが日本や欧米などOECD/EU加盟43ヵ国を調査したところ、6,900万人以上の子どもたちが貧困状態にあることが分かりました（※2021年末時点）。そして、東京都立大学の阿部彩教授によると、日本は全体の貧困率は減少しつつあるものの、ふたり親世帯とひとり親世帯の格差が拡大傾向にあり、ひとり親世帯の状況が厳しくなっているそうです。 そうしたなか、沖縄では「国立こどもまんなかウェルビーイングセンターin沖縄（仮称）」の設立に向け、議員連盟設立の準備会合が実施。十分に食事を得られない子どもたちを支える新たな取り組みが始まろうとしています。 一方でまた別の動きも。キャスターの堀潤が沖縄で出会った山川宗徳さんは、元警察官で現在は子どもたちの居場所づくりと食の支援を行う団体「タコライスラバーズ」の代表理事をつとめています。同団体を立ち上げた理由は、警察官時代、子どもたちが生きるために万引きをする姿を見てなんとかしなければと始めたそうです。 このタコライスラバーズでは、奈良県橿原市のカレー屋「げんきカレー」の“みらいチケット”を導入。これはお客さんが“みらいチケット”を購入し、壁に貼っておくことで子どもたちがそれを自由に使い、無料でカレーが食べられるというもので、大人が子どもの食を支えています。 この取り組みに、キャスターの豊崎由里絵は「こども食堂は増えてきたが、やはり運営が難しいという話もよく聞く。ただ、これはそうではなく、既存のお店に行って子どもが無料で食事できる素晴らしい取り組みだと思う」と絶賛します。 この春、山川さんは全国の若手地方議員が集まる会合で講演を行い、「みらいチケットは子どもたちに線引きなく、誰もが食べて笑顔になればいいという理念のなかでやっている」とその意義を説明。そして、みらいチケットを知った子どもが友達を誘い、本当に支援を必要とする子どもに食事を届けることができると語り、さらには「本当に必要な子どもたちに届けるためには、子どものなかのネットワークも使わないといけない」と訴えます。 また、「全国の見えないところでも絶対にある問題だと思っているので、それに対しての課題を少しでも知ってもらえたら嬉しい」と山川さんは子どもの貧困は沖縄だけの問題ではないと強調。そして、「子どもたちが、お腹が空いていたら誰でも使っていい環境を広げているが、分け隔てなく全員が食べられることに大人たちが賛同して人が集まってきている。それをもし隔てしまうと循環は絶対に起きないと思う」と実感を語ります。 ◆沖縄で広がる食の支援に、識者の反応は？ NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、「貧困対策からの脱却がこども食堂でも課題で、（こども食堂は）繋がりを処方している。だから、こども食堂やこうした取り組みがない社会というのは、みんなが家族でご飯を食べましょうと家族主義に戻っていく」、さらには「もうひとつ難しいのは、非支援者は固定してしまう。支援される側ということで固定されてしまう。（みらいチケットを）使うことが、自分が貧困であることを示すことになってしまうので、このハードルを越えるためには一般化しないといけない」と今後の課題を示唆。 前明石市長の泉房穂さんも大空さんの意見に賛同し、「全ての子どもたちをフェアにしないとかえって分断を生む」と懸念します。そして、「明石市では全ての小学校区にこども食堂があり、実費は行政が持っている。本当に食べられない子どもは行政が届けている。ちゃんと民間と行政の連携が取れないといけない」とも。 経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「今は物価が上昇していて、普通の家庭でも子どもに満足でご飯を食べさせられないところもある。だったら、自治体なんかが支援してあげるのも大切」と話していました。