クマ侵入のスーパーが営業再開 周辺では目撃情報も 秋田
店内にツキノワグマ1頭が2日余り入り込み、従業員1人が負傷した秋田市のスーパー「いとく土崎みなと店」の営業が7日、再開された。店の関係者は安堵(あんど)の表情を浮かべたものの、周辺では6日もクマと思われる目撃情報があり、改めて戸締まりなどを確認していた。 【写真】スーパーに入るため重装備をした警察官 店はクマが入り込んだ11月30日午前から12月6日まで1週間臨時休業し、7日午前9時にオープンした。店内では人気商品の新鮮な魚や充実した総菜などが並び、開店時間の直後からなじみの客が続々と詰めかけていた。店を運営する「伊徳」(本社・秋田県大館市)の工藤陽文取締役は「このように開店を迎えられてほっとしている」と語った。 工藤取締役によると、クマが正面のドアから入った形跡はなく、店の裏で品物を搬入するトラック用の積み替えエリア(トラックヤード)から侵入したとみられるという。また店内では精肉やハム・ソーセージなどの加工肉が並ぶ棚が外れていたが、肉そのものが食い荒らされた状態ではなかった。また花売り場の花瓶が割れて倒れていた。 さらに、入り口の窓付近には血の跡があった。クマがどこかで負傷していた可能性があるという。工藤取締役は「クマが店から出ようとして窓にぶつかったような跡だった」と語った。 店では捕獲・駆除の直後から清掃や消毒、商品の入れ替えを実施。トラックヤード付近には、クマが嫌がるとされる忌避剤の液体が入ったペットボトルをつるすとともに、不審者や他の鳥獣の侵入も想定し、改めてマニュアルに沿った戸締まりなどを心掛けるという。 秋田県警秋田臨港署によると、店がある秋田市の土崎地区では6日午後5時半ごろにも体長約1メートルのクマとみられる動物が目撃された。周辺は住宅が密集しており、改めて注意を呼び掛けている。【工藤哲】