大谷選手のグラブ、児童の励みに 富山県内5市町小学校でお披露目、地震の不安和らげる
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)が寄付したグラブが9日、富山県内5市町の小学校でお披露目された。この日の始業式に合わせ、憧れの世界的スターからのプレゼントを各校が紹介。児童は興奮した表情で新品のグラブをはめ、キャッチボールなどを楽しんだ。能登半島地震が生活に暗い影を落とす中、教員は「子どもたちの励みになればいい」と願う。 大谷選手は昨年11月、国内の小学校約2万校に三つずつ、計約6万個の子ども用グラブを寄贈すると発表。契約するスポーツ用品メーカーを通じ、「野球しようぜ」などと記した手紙を添え、同12月から各自治体へ配送している。 9日にお披露目した5市町は、小矢部と砺波、黒部の3市と、上市、立山の2町。各校の教員は始業式などで経緯を説明した後、児童に触れてもらった。 黒部市村椿小学校では、全校児童109人が順番にグラブを手に取り、じっくり眺めたりプリントされたサインを探したりした。大谷選手に憧れる谷凌成(りょうせい)君(5年)は「二刀流がかっこいい。グラブを使えて、とてもうれしかった」と声を弾ませた。同校は休み時間に使えるようにする。
小矢部市蟹谷(かんだ)小学校では、地元の少年野球チームに所属する吉村裕樹君(6年)と萩澤郁哉君(同)が、全校児童の前でキャッチボールを披露した。吉村君は「クラスメートと一緒に遊ぶ。みんなで大切にしたい」と感謝した。同校は通路に専用の置き場を設け、校内での使用に限って貸し出す。 元日に発生した地震の影響で、同校区の一部は断水となった。市内各所で道路損傷などの被害が発生し、児童は不安を抱えながら過ごしている。宮崎靖校長は「グラブを使い、大谷選手のように夢や希望を持って生活してほしい」と語った。 県内各自治体によると、グラブはほかの市町村にも1~2月中に配送。入善町は1月10日に届く予定。氷見、南砺、射水、魚津の4市と朝日町、舟橋村は同12日、富山市は同29日となっている。高岡市は2月上旬予定で、滑川市は未定という。