横浜流星、久々の恋愛ドラマ出演での変化「今は引き出す側に」 『わかっていても』イベントレポート
横浜流星主演のABEMAオリジナルドラマ『わかっていても the shapes of love』が12月9日より1~3話一挙配信されることを受け、12月6日に配信直前プレミアイベントが東京・TOKYO NODE HALLにて行なわれた。 【写真】出演の経緯について語る横浜流星「自分を知ってもらったのは恋愛作品だった」 『わかっていても the shapes of love』は、同名マンガをもとに実写化された韓国ドラマNetflixシリーズ『わかっていても』を原案に、日本・鎌倉を舞台に再構築した新作ドラマ。アベマでの配信のほかNetflixでも世界同時配信を予定している。 この日、ステージが設置されたのは東京が一望できる高層ビルの47階とあって、きらめく夜景をバックにイベントがスタート。横浜流星、南沙良、中川龍太郎監督、そしてサプライズゲストとして駆けつけた佐野玲於も交えて、和気あいあいとトークを繰り広げた。 横浜は、兄のように慕うエグゼクティブプロデューサーの藤井道人から「恋愛作品をやったら?」と提案されたことが本作出演のきっかけになったと経緯を説明。「恋の話は今しかできないし、自分を知ってもらったのは恋愛作品だった」と振り返り、「これから大河ドラマも始まるので、『ただいま』と『行ってきます』という思いで出演を決めました」と語った。 横浜が恋愛作品に出演するのは実に3年ぶり。その間に人気も実力も飛躍的に成長したことは誰もが知るところだが、横浜自身も「引き出してもらう側から、引き出していく側になったな」と変化を実感しているようだ。南が演じる美羽や鳴海唯扮する千輝が「輝けば良いなという思いで」演じたと撮影時の心境を明かした。 一方で南は、横浜に対してもともと「ミステリアスな印象があったけど、面白い方だった」と意外な感想を述べる。撮影現場では極度の人見知りだという南を、横浜が笑わせようと試行錯誤していたのだそう。「もうあの手この手を使って、いろんな表情を引き出そうと思って。心の扉をどうにか開けようとした」という横浜。そうした2人のやりとりを「本編と逆だよな」と笑うのは中川監督だ。 そう、今回横浜が演じるのは、誰もが近づきたくなる吸引力を持ちながら、誰にも深入りさせないミステリアスな魅力を持つ実力派アーティスト・香坂漣。そして南が、恋に傷つくことを恐れていながらも、どうしようもなく漣に惹かれてしまう浜崎美羽を演じるため、関係性が真逆だというのだ。 また、サプライズゲストとして登場した佐野は、そんな美羽を密かに想う生島琉希役を務めた。横浜と佐野は『虹色デイズ』『インフォーマ』に続いて3度目の共演。佐野がマイクを持って話そうとすると、ジャケットが乱れていることに気づいた横浜がサッと直し、「優しいなお前は、本当に」と佐野が目を細める場面もあった。 「自分は流星を気の許せる友人だと思っているんですけど、こんなにずっといっしょにいるのに、惚れ惚れする」と撮影時に再認識した横浜の魅力を熱弁。また、韓国で人気を博したドラマの日本版に出演するにあたって、多少のプレッシャーを感じたとも。 その不安を払拭したのが、監督とともにディスカッションを重ねて作品を作り上げた横浜の存在感だったようだ。「顔を見ると安心する」「現場でもお互いの話もできたし、流星の仕事をしている姿を見て、勉強になる部分もあった」と話した佐野。それは南も同じようで「みなさんに頼っていました」と笑顔をのぞかせていた。 対して横浜も佐野には「玲於も忙しくて時間がない中、この役を引き受けてくれて感謝していますね。心強かったです」と、良好な関係であることを伺わせた。南についても「台本を読んで美羽そのものだなと思っていました。繊細で儚くて、でも芯があって。すごく素敵だなと思うし……ちょっとゲラ(笑い上戸)だよね」と、すっかり心の扉を開けることができたようだ。 また、人を沼らせる沼男も呼び名を持つ漣というキャラクターについて「彼は永遠なんてないって生きていて、そのことによってちょっと諦めてたりとかするんですね。自分も永遠なんてないと思っていて、明日死んでもいいと思って生きています。諦めはないですね。後悔はないって感じです」とシンクロするポイントもあると語る。すると、佐野も「流星の言ってることにめちゃくちゃ大共感!」と盛り上がる。 横浜は格闘技、佐野はダンス、そして漣はアートと、他のことが頭に入らないくらい没頭した経験がある者同士通じ合うものがあるようだ。すると横浜は「女性目線ではどうなの?」と南に話を振ったり、「龍太郎は大丈夫ですか?」と笑いを誘いつつ話題を膨らませて場を盛り上げていく。演技面のみならず、トークの場でも仲間の魅力を引き出す側になっている頼もしさを見せていた。 いくらでも話せそうな4人だが、プログラムは主題歌を歌うシンガーソングライターのiriを招いてショータイムへ。「みなさんの気持ちに寄り添えたら」と、イベントのために特別に生歌を披露。しばし、うっとりするような美声に酔いしれた。 その後、フォトセッション中にはドラマのキーアイテムとなっている青い蝶が舞い降りてくる演出も。横浜は、さすがの反射神経で目の前に振ってきた蝶をキャッチ。すると、さりげなく佐野にも取ってあげるという、漣にも負けない沼男っぷりも披露していた。 最後に「原作をリスペクトして、再構築をして、日本版の『わかっていても』になりました。原作ファンの方々も、そうでない方々にも楽しんでいただけると思います。30分全8話でとても見やすいと思うし、それぞれの形の“わかっていても“があるので共感できると思います」とのメッセージで締めた横浜。監督、共演者の心を開き、愛される横浜流星。この作品でさらに沼ってしまうと“わかっていても“、観ない選択肢はなさそうだ。
佐藤結衣