大ケガ乗り越え“有言実行”の金メダル 体操・岡慎之助「パリ五輪が自分の心を動かした」
午前中の90分間で43種類58セットのメニューなど、トレーニングの量も増やし、リハビリも根気強く行いました。 なかでも重点的に取り組んだのは、つり輪。ひざをケガをした今だからこそ、上半身の筋力が必要なつり輪を鍛えると決意しました。 岡選手は「ケガをして、何ができるかというとつり輪の力技。そこができていないと、何のための期間だったんだろうとなってしまう。頑張ります!」と意気込みも見せていました。
■「動いてる感覚があって気持ちいい」
ケガから7か月後の11月。 冬の間も、つり輪を強化しました。まだ反応が戻っていない部分もあり「手応え的にはまだきてないです」と本音も。 一方、右ひざの状態は、高い補助台から飛び降りて着地をできるまでに回復していました。
「怖いですけど、すごい動いてる感覚があって気持ちいいというかうれしい」 復帰へと、光が見えてきました。
■「脚は心配していない」ケガした跳馬もしっかりと着地
そしてケガから約1年がたつ、2023年3月。 復帰戦を想定した試技会に挑戦しました。 つり輪では、ジョナサン~ヤマワキのあとホンマ十字懸垂をピタリと静止。トレーニングの成果が出ている様子でした。
さらに跳馬ではドリックスをしっかりと足で着地。ケガから復活した姿を見せました。 岡「もう脚は心配していないです。パリ五輪で金メダルをとることが最大の目標。頑張ります!」
■有言実行の『金』
岡選手は代表選考会をトップで通過し、パリ五輪代表に。そして日本時間1日に行われた個人総合決勝で輝きを放ち、金メダルを獲得しました。 岡選手はケガ当時を振り返り「しんどいトレーニングを乗り越えてきて本当に良かったと思います」と語り、「ケガをしても、自分の中ではパリ五輪が軸としてあったので、それが自分の心を動かすというか、それがずっとあったからずっと前を向いて練習できたし、橋本選手に勝ちたいという思いがずっとあったので、それがこういう結果につながったと思います」と、ともに戦った橋本大輝選手の刺激もあって今回の金メダルにつながったと話しました。