さすが!墓所も「豪邸」 アヤシくない、アシヤのピラミッド 実は母娘の美しい愛
高級住宅地の芦屋を山へ山へ、坂道をずんずん登ると、見よ! あれはピラミッドではないか! でも、ちょっと小ぶりみたい…。 【写真】半世紀前に消えた幻の「カコ・コーラ」はどこへ? どこかといえば、芦屋市霊園。ピラミッドには「母娘永遠に此処(ここ)に瞑(ねむ)る」と墓碑銘がある。母娘は宮田文子と武林五百子。文子は、作家武林無想庵と1920年代のパリで暮らし、生まれた五百子はイヴォンヌと呼ばれた。 その後、文子はベルギーの貿易商宮田耕三と再婚。母娘は戦後、阪急園田駅前で料理講習所を営むが、再渡欧。五百子は65年に急死し、文子も翌年に没した。 なぜピラミッドなのか。文子の自伝には、わが墓所の研究のため娘とエジプトを旅行したとある。芦屋を選んだのも文子自身だと、友人の作家宇野千代は書き残す。 ピラミッド、アシヤにあってもアヤシくない。(田中真治)