北朝鮮専門家「トランプ氏と金正恩氏、すでに書信交換しているかも」
北朝鮮が来年の米朝交渉で有利な位置を占めるため、いわゆる「核の影」による示威を現実化するかもしれないという専門家の分析が出てきた。「核の影」は核脅威を通じて相手国の対応を無力化する軍事的圧力を意味する。北朝鮮が表向きは冷淡なふりをしているが、米国との対話の契機を作るために努力しているもので、すでにトランプ次期米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が接触した可能性もあるとの見方も出てきた。 峨山(アサン)政策研究院の車斗鉉(チャ・ドゥヒョン)首席研究委員は23日、「2025峨山国際情勢見通し」と題する報告書を通じ、「北朝鮮は小規模挑発後に韓国あるいは韓米の対備態勢強化に核兵器使用の可能性をちらつかせることにより米朝交渉で有利な立場を占めようとするだろう」と予想した。 車委員は「北朝鮮の挑発は韓米の対応とこれに対する中国の反発、ロシアの対北朝鮮支援などとつながり、域内の緊張が常に高まる状況を呼び起こすだろう」と観測した。続けて「北朝鮮は主に韓半島(朝鮮半島)を狙った戦術核能力を強調することに注力するだろう」とみた。 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験など米国を狙った示威に出る可能性も提起した。車委員は「2025年下半期に第2次トランプ政権との早期交渉再開が不如意だと判断する場合、超大型核弾頭実験や多弾頭大陸間弾道ミサイル試験などを敢行する可能性は十分だ」と分析した。 バイデン政権の間は作動しなかった米朝間の対話チャンネルが来年には復元される可能性もあるとみた。トランプ氏の立場ではバイデン政権と対外政策を差別化する必要があり、金委員長に対し悪くない評価を下した点を考慮すれば米国が動くことができるということだ。 トランプ氏がハノイでの米朝首脳会談が決裂してからも金委員長と書信を交換していたという現地報道から推察すると、「2人がすでに書信を交換しているかもしれない」と車委員は推測した。 車委員はまた「北朝鮮が表向きは米国との対話に冷淡なふりをしているが、(結局は)米国と対話の契機を生かそうと力を尽くすだろう」とした。北朝鮮が中国とロシアとの連帯に重点を置くことに決定を下し、米国との対話に興味を失ったという一部の予想は間違っているという意見だ。 ただトランプ氏の立場では、「北朝鮮を完全に信頼できるのか」「対北朝鮮補償をどのように正当化するのか」などの課題があり、米国が北朝鮮の要求を受け入れられるかもカギだとしながら、「対話の可能性摸索と相互探索の動きが続くが、首脳会談につながる可能性は小さいだろう」と予想した。 韓国と米国の首脳外交に対しては懐疑的見通しを出した。車委員は「談判で問題を解決するトランプ氏の気質を見ると、大統領代行体制での首脳会談は難しいだろう」と予想した。