“50歳の評論家1年生”山本昌氏のキャンプ一押しは阪神と楽天・茂木
――目についたチームは? 「まだ取材途中で全球団を回ったわけではありませんので、あくまでも現時点でという前提で聞いて欲しいのですが、阪神ですね。金本新監督になってコーチングスタッフもガラっと若返って注目していましたが、実際、現場を見るとチームのムードが良かった。藤浪、メッセンジャー、能見、岩田と、すっと先発4人の名前が出てきます。クローザーのオ・スンファンの代役の新外国人は取材できなかったのですが、藤川球児も帰ってきました。彼の表情も明るかったです。 問題は、むしろ打線かもしれませんが、マートンの抜けた穴は、ドラフト1位の高山選手の評判もいいですし、誰かが出てくるものですよ。それと(福留)孝介が順調で、もう仕上がっています。フリー打撃では久しぶりに孝介のベストのバッティングを見ました。新外国人のマット・ヘイグには、多様な評価があるようですが、外国人だけは公式戦に入らないとわかりませんよ。オープン戦でもまだ評価は下せません。 昔、大洋(現在横浜DeNA)、阪神でプレーしたパチョレックという選手がいましたよね。彼なんか、オープン戦ではまったく打てずにスコアラーからは、『穴ばかりの選手なんでどこに投げても大丈夫』という報告が上がってきました。それが、公式戦が始まったらバカスカ打ち始めました。『なんだ?それ?』ですよね。結局、1年目から3割をクリアして翌年には首位打者です。しっかりと対応してくる外国人がいますからキャンプ、オープン戦で判断してしまうのは危険です」 ――阪神押すよねえ。じゃあ、阪神が優勝だ? 「いえいえ(笑)。まだ全球団を見ていませんし、現時点で優勝予想はできません(笑)」 ――他球団は? 「横浜DeNAでは、話題のドラフト1、2位コンビを見れなかったのですが、ラミレス新監督がコミュニケーションを重要視していて、選手との意思疎通ができていると感じました。中畑監督時代もそうでしたが、非常に楽しそうでした。中日では41歳の岩瀬が体に不安がなく元気でした。復活を願っています」 ――連覇のかかっているヤクルトは? 「やっぱり強いチームだなとは感じましたが、問題は41セーブを挙げたバーネットの穴をどうするかですね。新外国人のジョシュ・ルーキ、ルイス・ペレスの2人は、共ににボールは速かった。とくに左のペレスが速かったので、ストライクが入れば、そこそこはやるでしょう。取材に行ったときに初ブルペンだった秋吉も良かったので、彼も代役候補でしょうし、先発候補だったピッチャーの中から誰かがクローザーに抜擢されて出てくるかもしれません。 誰をバーネットの代役に?という答えについては、高津コーチの頭の中に構想があっても、実際に外国人2人の実戦を見てみないと決めれないと思います。ただオンドルセクは、長いイニングも回跨ぎもできる便利なピッチャーです。彼についてはクローザーの手前に置いて、柔軟に起用したほうが、チームにとってプラスじゃないでしょうか」