【いくらで利用可能?】「無料低額宿泊所」は生活保護受給者も利用できる制度なのでしょうか?
無料低額宿泊所とは、生活保護を受給していても、なお生活が苦しい人などが利用できる施設です。 入居するには「生活に困窮していること」などの条件を満たしている必要がありますが、民宿などの一般的な宿泊施設や賃貸住宅などとは、どのような違いがあるのでしょうか。 本記事では、無料低額宿泊所を利用する際にかかるコストや、利用している生活保護受給者の割合についてご紹介します。
無料低額宿泊所とは?
無料低額宿泊所は、社会福祉法に基づいて設置される施設で、無料、または低額な料金で簡易住宅を貸し付けたり、宿泊所などの施設を利用できるようにしたりしています。 「東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例」第2条によると、無料低額宿泊所の範囲は、以下のように定義されています。 ・生計困難者を入居対象としていること ・入居者のおおむね半分以上が生活保護受給者で、利用契約が賃貸借契約以外の契約であること ・上記に加え、居室使用料と共益費を除く利用料を受領してサービスを提供していること
無料低額宿泊所を利用する際にかかるコストは?
厚生労働省がまとめた「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)」によると、全国の無料低額宿泊所すべてで食事のサービスを提供しており、平均受領月額は3万1960円となっています。 うち、3食提供している施設が51.9%、2食提供している施設が34.3%、1食提供している施設が0.6%、食材のみ提供している施設が13.2%です。 食費以外の費用を受領している施設の平均受領月額は2万2133円で、生活支援費用の内訳は、表1のようになっています。 表1
※厚生労働省「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について(令和2年調査)」を基に筆者作成 「食費」と「食費以外の費用」の平均受領月額を合計すると、無料低額宿泊所を利用した場合、月に5万4093円かかることが分かります。