大河ドラマ「光る君へ」で再注目、源氏物語の魅力 千年を超えて読み継がれた理由は? 紫式部と道長の関係性にも言及 研究者・東京大大学院の高木和子教授が講演
NHK大河ドラマ「光る君へ」で再び注目を集めている源氏物語の研究者で、東京大大学院の高木和子教授(日本古典文学)がこのほど、松江市浜乃木7丁目の島根県立大松江キャンパスで「紫式部と源氏物語、その魅力」と題して講演した。現代でも人々を魅了する源氏物語の魅力や、紫式部と藤原道長の関わりについて持論を展開した。 【講演詳報〈上〉】「光る君へ」最終盤 時代超え人々を魅了 「源氏物語」の秘密に迫る
源氏物語は平安時代中期に書かれた日本最古の長編小説。高木教授は、源氏物語には竹取物語や伊勢物語など他の物語のパロディーが登場すると紹介した。光源氏のモデルとされる人物も多数おり、千年を超えて読み継がれたのは「読み解きのバリエーションがたくさんあるためだろう」と分析した。 ドラマで描かれた紫式部と道長の関係性にも言及。紫式部日記には道長と送り合ったとされる歌があり、夜に戸をたたく音がしたが、開けなかったとのやりとりが残る。高木教授は歌に出てくる「真木(まき)の戸」は、蜻蛉日記や和泉式部日記にも登場しており「男女の駆け引きに使われる言葉で、男女の関係が成立した後の状況を表している可能性がある」とした。 講演は学生と市民ら約150人が聴いた。