「入居に1億円」は当たりまえ…!5億の部屋も売れてしまう「 超高級シニアマンション」のヤバすぎる現実
西麻布に、幕張に、湘南藤沢に―日本の都市部に次々と建てられる高級シニアマンション。誰が住むのか。デベロッパーにはどんな旨みがあるのか。「天国に最も近いマンション」の裏側に迫る。 【マンガ】マイホームは「持ち家」か?「賃貸」か? ついにその「答え」がわかった…
億超えは当たり前
東京メトロ広尾駅から徒歩約15分。超高級マンション「広尾ガーデンヒルズ」や芸能人御用達の高級イタリア料理店・アッピアアルタ西麻布を横目に眺めながら歩くと、地上36階建て、総居室数399室の巨大な建物に辿り着く。 品格漂う外観とドアマンが常駐するエントランスは高級ホテルそのもの。ここが今年10月1日に開業し、不動産業界の話題をさらっている超高級シニアマンション「パークウェルステイト西麻布」だ。 日本有数の高級住宅街にそびえる「満60歳以上限定」のこのマンション。介護居室も60部屋有しているが、基本的には元気なシニアが入居者の中心で、「健康管理用の温水プールにフィットネス施設完備」「帝国ホテルのシェフが手がける食事」「約2000冊の蔵書を有する図書室」など、カネ持ちシニアのニーズに応えるための最高水準の設備とサービスが備わっている。 もちろん値段も相応だ。一例を挙げれば「入居一時金」に1億5000万円、さらに共益費とサービス料で月25万円が必要となる(75歳で1LDK約50の部屋に一人で住む場合)。130の部屋に二人で入居する場合は5億4000万円の一時金が必要で、さらに別途月額50万円程度のサービス料等も支払わなければならない。庶民にはとても手の出せる代物ではないが、入居募集以来問い合わせが殺到しており、開業の時点で半数以上が成約済みだという。 「前は夫婦で世田谷の一軒家で暮らしていたんですが、広い家に老いた二人で住むよりは、より都心に近いところに住んだほうがいいだろうと、家を売ってこちらに住むことに決めました」 マンションから出てきた高齢女性に声を掛けると、富裕層にしかできない上品な笑みを浮かべながらこう返した。これから定期検診を受けるため山王病院にタクシーで向かうのだという―。