「入居に1億円」は当たりまえ…!5億の部屋も売れてしまう「 超高級シニアマンション」のヤバすぎる現実
乱立する超高級マンション
近年、首都圏を中心に大手デベロッパーがシニア向け超高級マンションを続々開業している。 「これまでにも入居金1000万円程度のシニアハウスは珍しくありませんでしたが、より高額で時には億を超える一時金と、毎月何十万円という入居費が必要な富裕層向けのマンションが注目を集めています。過去には『高級老人ホーム』を謳っているのにサービスの質がイマイチという施設も少なくなかったのですが、大手が運営しているため、高水準のサービスがしっかり提供・維持されることも、特徴のひとつです」(不動産コンサルティング会社・さくら事務所の長嶋修会長) 特に人気なのが、三井不動産グループが展開する「パークウェルステイトシリーズ」。西麻布のそれは最上級クラスで、9月には海浜幕張駅から徒歩約20分の場所に「パークウェルステイト幕張ベイパーク」(入居一時金約5000万円前後)を、10月には辻堂駅から徒歩約25分ほどの場所に「パークウェルステイト湘南藤沢SST」(入居一時金最大で約7000万円)を開業した。 三井より先に高級シニアマンション「グランクレールシリーズ」を展開してきた東急不動産グループも、「グランクレールHARUMI FLAG」(入居一時金約5000万円など)や「グランクレール綱島」(同約3000万円~)を開業。「オウカスシリーズ」を展開する野村不動産グループも、'27年に最高クラスのシニアマンション「オウカス駒場東大前」を開業予定だ。
銀座にもできるかも
入居者の受け入れ基準や介護サービスの程度・介護住宅の有無は施設によって異なるが、ジムやサウナ、立派な食事が出てくるのは当たり前。コンシェルジュや医療・介護スタッフが常駐し、「不測の事態」が起こっても早急に対応してくれるところも。有望市場に目を付け、別業態の企業も参入を検討中だという。 「オフィス向け物件を扱ってきたヒューリックが、銀座に高齢者居住施設の開発を検討中です。東京の超一等地ですから、入居金が億を下ることはない。4億円を超える部屋も売られる見通しだとか。高齢者向け超高級マンションの需要の高まりから、勝算はあると見ているようです」(全国紙経済部記者) 過熱する超高級シニアマンション市場。背景にあるのはカネ持ち老人の急増だ。高齢者市場に詳しいニッセイ基礎研究所生活研究部の前田展弘・上席研究員が説明する。 「日本で資産を1億円以上持っている『富裕層』は約133万世帯と推計されていて、うち60歳以上が64%を占めています。また世帯主が60代以上で3000万円以上の貯蓄がある世帯も13%を占めています。こうした富裕層シニアの数は高齢化の進む日本でさらに増えていくと予測され、億単位のおカネが必要となる高級シニアマンションでも、老後の快適と安心を求めて入居を望む人は絶えないでしょう」 後編記事『「入居人が亡くなれば、さらに億単位のカネが入ってくる」…人気絶頂のシニアマンションのヤバすぎる裏側』へ続く。 「週刊現代」2024年12月21日号より
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