明大へ進学する武藤

　高校野球で活躍した仙台育英（宮城）の武藤陽世投手（３年）が明大に合格したことが２２日までに分かった。憧れの先輩・湯田統真投手（明大１年）と再びチームメートとなり、さらなる成長を誓った。 　明大に合格した武藤は、先輩との約束を果たした。甲子園で２２年夏Ｖ、２３年夏準Ｖを達成した強力投手陣の一角を担った１５０キロ超右腕・湯田の心持ちや投球に憧れ、「ずっとついて行きます」と宣言。「個々の能力も高く、レベルの高いチーム内競争をしている」と大学にも魅力を感じ、目標にしてきた。合格の知らせに「ホッとしたのが一番でした」と湯田にも連絡をすぐに入れたと明かす。 　「甲子園に出たい」という思いで仙台育英へ進学。３年間を「自分が通用するか不安もあったけれど、自分も甲子園のマウンドを踏めたし、優勝も準優勝も、甲子園に行けない悔しさもすべて存分に味わった」と振り返る。中でも成長したのは「野球に向き合う姿勢」だ。練習の質だけでなく、日常生活からスケジュールを決めて行動し、朝５時半に起床して新聞のコラム欄を読んでまとめる中学時代からの日課もこなすなど、自分なりのルーチンをつくってきた。努力のかいあって、左腕で最速は１４８キロと直球の力強さはピカイチ。今は「直球の質を良く見せる取り組みをしている」と体づくりから見直し、変化球の腕の振りやキレを増やすことに力を入れている。 　３つ上の兄・有雅さんは慶大野球部でマネジャーをしており、リーグの雰囲気などもよく聞いていて、東京六大学リーグは憧れだった。高校野球引退後は早慶戦も観戦し「プライドとプライドがぶつかり合って刺激的だった」と球場の空気も肌で感じた。「神宮のマウンドに立つ」という夢がかなう日も近い。「どんな役割もこなせるピッチャーになりたい。もっと繊細な投球ができるよう、自分に打ち勝つ気持ちで４年間頑張ります」と強い決意で新たなステージへ進む。（秋元　萌佳） 　◆武藤　陽世（むとう・ようせい）２００６年４月３０日、宮城・仙台市生まれ。１８歳。中野栄小２年時から中野栄ウィンズで野球を始め、中野中時代は軟式野球部でプレー。仙台育英では２年春の地区大会からベンチ入り。１７９センチ、８０キロ。左投左打。