自らを「傲慢だった」と語る下川 亮さんが、新たな食体験を提供する経営者になるまで
時間を超越して思い出の味を再現したい
「今の技術が進化すれば、将来もしかしたら自分のおばあちゃんが昔作ってくれた料理を、自分の孫に食べてもらえる瞬間を作ることができるかもしれません。 家族の味を何代にもわたって継承できるなんてすごいことですし、何より面白いなって思います」。 すべての質問を終えて雑談をしているさなか、話題は特別なときに食べる“勝負メシ”に。下川さんがあげたのはハマチだった。 「子供の頃、ラグビーの試合が終わったあと、母がお寿司屋さんにつれて行ってくれたのですが、当時食べていたハマチがすごく美味しくて。今もお寿司屋さんに行くとハマチは必ず食べています」。 あらゆる人の思い出の味が再現することができたら、下川さんが抱くFUNな瞬間が世界中で共有されることになる。 下川さんの話を聞いていたら、不思議とそんなときがいつか訪れるのだろうと感じた。時間はかかるが、着実にやるべきことを重ねて。
下川亮の10問10答
Q1. 自分の性格をひとつ変えられるなら何を変える? 臆病なところ。 Q2. どうしても直らない癖は? 深夜の読書。 Q3. 子供の頃から好きなことは? 物事を黙々と進めること。 Q4. 一日が3時間減ったら何をやめる? 考えても仕方がないことを考えること。 Q5. 子供の頃の自分に言ってやりたい人生の真理は? 何かを成し遂げるには、正しい努力を積み重ねるしかない。 Q6. 怖いことは? 目標を見失うこと。 Q7. 今だから言える大きな失敗は? 学生時代、自分の保身に走って力を出せなかったこと。 Q8. お金で買える今いちばん欲しいものは? 膝のサポーター。 Q9. 毎日食べて飽きない食べものは? たまごかけご飯。 Q10. 初めて食べて衝撃を受けた食べものは? 表参道「うかい亭」で食べたステーキ。 下川 亮●1988年生まれ、大阪府出身。2019年、都内にコラボレイティブ・レストラン、アティロム・トーキョーをオープン。共創をテーマに、日本全国の生産者はもちろん、ときには料理人とのコラボを通じ、心が豊かになる食体験を提供している。 山本雄生=写真 オオサワ系=文
OCEANS編集部