元巨人・村田修一が月給40万円からの再出発に込めた「僕の道を歩む」の覚悟
数多くある独立リーグのチームの中から設立2年目の栃木を選んだのには理由がある。 夫人の実家が小山であり、日大時代の恩師、鈴木博識・元監督も小山高校出身。 「ゆかりのある場所。縁を感じた」という。 そしてもうひとつの理由が地域貢献の熱心さだ。 チームの運営母体は人材派遣会社の「エイジェック」。アスリートのセカンドキャリア事業を先に立ち上げたが、その受け皿になればと、昨年度からBCリーグに参入した新興チームである。 本拠地での試合後には、地元の子供たち向けに約1時間の野球教室を開催、田植えや稲刈りも手伝い、一日警察署長や、各種募金活動を手伝うなど、行政とも協力しながら昨年は計50回の地域貢献活動を行った。 昨年のチーム成績は、前期が最下位、後期もブービーだったが、観客動員はリーグ2位となる3万852人をマークした。まだファンクラブ会員は450人ほどしかいないが、「今年は地域貢献は100回を目標に、観客動員も村田選手の力も借りて5万人にのせたい」と江部達也球団社長が言う。 村田も地域貢献に積極参加する考えで、そういう経験が将来、生きるとも考えている。 「NPBに戻るのが最大の目標だが、今後も野球にたずさわっていきたい。自分の目で(独立リーグを)勉強するのも僕の人生のプラスになる。将来、指導者を目指すときは、この経験は生かせると思う」 元ソフトバンクの外野手だった辻武史監督からは「三塁線の打球へのダイブが印象深い。あれをブレーブスの選手だけでなく、BCリーグの選手みんなに見せて欲しい。NPBの厳しさを。夢を追いかける姿を若い選手に見せてもらいたい」とのリクエストもある。 兼任コーチは断ったが、そういう役割は十分に理解している。 「自分で言うのもなんだけど強面だから(笑)。若い選手がなかなか積極的に話かけにくいと予想する。だから、自分から声をかけたいと思う。溶け込みたい。ファンの方にはできるだけスマイルで接したい」 すでに村田効果は、チームに出ていて、村田の入団報道が出てから数社ほど県内スポンサーからの問い合わせがあるという。