「ボウサイダー」に防災ガール スペシャリスト達から学ぶ「備える街」とは
石油コンビナート地区や多摩川の河川敷、高層マンション群、農地などさまざまな特徴を持ったエリアを抱える神奈川県川崎市で4月23日、防災をテーマに学び考えるトークイベント「備える街、川崎」が開催された。
市内のイベント主催者や市役所職員、在住者ら40人近くが参加した同イベント。防災のスペシャリストから学ぶだけでなく、ジップロックを使ってパスタを作り昼食を共にするなど、災害時に役立つ実践的なコミュニティー作りの場ともなった。 一分でできる「ジップロックパスタ」の作り方を指導したのは、災害被災時に役立つアウトドアのノウハウを実践的に学ぶキャンププログラム「STEP CAMP」を主宰する寒川一さん。ゆでる前に水につけておくことで、必要な燃料と水の量を減らすことができる。ほかにも、寝袋や山用の頑丈なヘルメット、ペットボトルにはめて使える浄水器など、寒川さんがキャンプに持って行く道具一式を広げ、使い方を紹介した。 中にはトイレットペーパーホルダーや凧など、必要最低限のものだけでなく、「人間らしく」生活するためのグッズやキャンプを楽しむための玩具も。必要と分かっていても面倒くささや退屈さから実践している人が少ない防災に、楽しさや分かりやすさを重視して取り組む点は、どのゲストにも共通していた。
「防災をもっとオシャレでわかりやすく」をコンセプトに若者に向けた情報発信を行う「防災ガール」代表の田中美咲さんは、帰宅困難時に便利な20キロ以上歩けるパンプスなどのグッズや、「非常食ケータリング」「避難所体験カフェ」などこれまで開催してきたイベントを紹介。災害時の子ども死者ゼロを目指して子どもも楽しく防災を学べる映像作りやサイダーの販売を行う「ボウサイダー」の川島勇我さんは、「『あそこの避難訓練やばいらしいよ』といって人が集まるような面白い訓練をしていきたい」と話し、主催者以外タイミングを知らされていない避難訓練を伴った音楽フェスなどのユニークな活動を紹介した。
川崎では、5月15日日曜に多摩川沿いの二ヶ領せせらぎ館で「TAMAGAWA CAMP」を開催。自然豊かな多摩川の環境を活用し、災害時に必要なスキルと地域の連携を楽しく学ぼうと、多摩川やその流域で環境維持のため活動している団体が中心となって家族連れなどへの参加を呼びかけている。 (齊藤真菜)