脚本・黒岩勉×大野公紀Pに聞く、『全領域異常解決室』の“仕掛け” 藤原竜也の起用理由も
黒岩勉「“神様の視点から見た現代社会”というテーマが濃くなってきます」
――中盤以降は特に「考察」の要素を楽しんでいる視聴者の方が多かった印象です。 黒岩:最初の広瀬さんの狐ダンスも「なんでやってるの?」って最初は思いますよね(笑)。 大野:意味がはじめて伝わる瞬間は楽しいですよね。 黒岩:キャストの皆さんからも、「このリアクションはどういう意味ですか?」って聞かれていました。最初の台本の段階では第6話までしか書けていない状態だったので、事前に説明できる部分まではしていました。はじめて第1話を観た時にすごいなと思いました。最後まで台本ができてない状態であそこまで理解してやっていただいたから。もう1人で泣きそうになって観てました。 ●大野公紀、第9話以降は「今までをさらに凌駕する展開に」 ――大野さんは報道記者のご経験もおありですが、今回の制作を通して当時の経験が役に立っていると感じる部分はありますか? 大野:警察関係者の方に実際の活動や制服などを見せていただき、また監修の先生方にも細かく取材をさせていただいた上でドラマを作っているので、キャラクター設定に落とし込む際の枝葉の部分のリアリティを担保する上で、当時の経験がいろんな形で活きているなと感じています。 ――クライマックスに向けて、放送を楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします。 大野:まず、ここまで観てくださって本当にありがとうございます。不可解な異常事件を解決していく組織から日本の神々の話になり、人間界を守るための神々の話だとわかってきて……とビックリな展開が続いていますが、この先は、今までをさらに凌駕する展開になっています。日本の神話をここまで落とし込んだ作品は過去に例を見ないと思うので、ここまで観てくれた方も、今からはじめて観る方にもぜひ最後まで楽しんでいただけたらなと強く思っています。 黒岩:まだ第10話は撮影しか見ていなくて、第9話はすでに観ているんですけど……、めちゃくちゃ面白かったです(笑)。ここではじめて、神様は現代社会で何を思っていたのかとか、 神様がいると知った人間たちは何を思うのかとか、じゃあ神は何のために現代社会にいるのかとか、「神様の視点から見た現代社会」というテーマが濃くなってきます。難しく観る必要はないので、エンターテインメントとして楽しんでいただきながら、作品のメッセージを感じていただけたらすごく嬉しいです。
リアルサウンド編集部