奥様は“自分にとってのすべて” 佐藤二朗さん(55)「妻にはのろけるなよって怒られます」|STORY
役者としても、脚本家としても自分のやりたいことを正直にやっていきたい
そんな佐藤さんに、役者・クリエイターとしての今後の展望を伺いました。 「ものすごく抽象的なことなんですけど、でも結構本心で言いますと、役者としても、脚本を書く人間としても、なるべく自分のやりたいことを正直にやっていきたいなと思ってます。『これをやりたい』という自分の欲に正直になって、その時やりたいことを本当にやれたら、すごく幸せなことだと思うので、今までもそうしてきたつもりですけれども、この先もそうしていきたいなと。 まだ情報公開はできないんですけど、ありがたいことに今いろんな話をいただいていて、そのどれもが、よくぞ俺のところにそんな話を持ってきてくれた! 是非ともやらせてくれ!と思う話ばかり。楽しみでしかないです。 役者として、やってみたい役ですか? 昔からよく聞かれるんだけど、その時その時に与えられた役を全力でやるということだけですよ。非常にありがたいことに、今は本当にいろんな役をいただけているので、やるとなったら全力でやる、という感じです。 書く仕事のほうも、書きたいと思えるうちは書く。今急に思い出したんですけど、10年以上前にも『書きたいと思っているうちは書き続けようと思います』と言っていて、それから10年経ってもまだ書いている。それでいいんじゃないかなと思います」 これを機に、ちからわざは定期的に公演を打つことになるのかと尋ねると、「いや、どうだろう。ちょっとまだ今回の『そのいのち』の稽古で精一杯ですね」とのこと。 「みんなで力を合わせて『そのいのち』を成功させたいし、楽しみたいですね。ハンディキャップを持ったお二人(佳山明さんと上甲にかさん)に舞台に出てもらうのは大変なことですけど、そういう難しい山のほうが、簡単に登れる山より、なんか楽しいじゃないですか。ぜひともたくさんの人に、負が力へと変わっているところを観ていただけたらなと思います」
佐藤二朗さん書き下ろしの舞台 『そのいのち』
介護ヘルパーとして働く山田里見は、障害を持つ新たな雇い主の相馬花と、花の夫の動物ライター・和清。ある出来事をきっかけに3人の関係は崩れていき……。脚本/佐藤二朗 演出/堤 泰之 出演/宮沢りえ、佳山 明・上甲にか(Wキャスト)、鈴木 楽・工藤凌士(Wキャスト)、福田学人・徐斌(Wキャスト)、日高 響・尾形蓮音(Wキャスト)、今藤洋子、本間 剛、佐藤二朗 11月9日~17日/世田谷パブリックシアター 22日~24日/兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール 28日/東京エレクトロンホール宮城 <佐藤二朗さんprofile> 1969年生まれ。愛知県出身。96年に演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げ。数々のドラマ、映画に出演。また脚本家、映画監督としても活動。映画『memo』(08年)と、映画『はるヲうるひと』(21年)で、原作・脚本・監督・出演を務め、『はるヲうるひと』では、韓国の江陵国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞。さらに自身が書いた映画脚本が漫画になり、初の漫画原作となる『名無し』が現在コミプレにて連載中。近年の主な出演作は、映画『変な家』(24年)、映画『あんのこと』(24年)など。12月に映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS 悪魔軍団~』が公開予定。 衣装/ジャケット¥104,500、シャツ¥110,000、パンツ¥71,500、すべてY’s for men(ワイズプレスルーム 撮影/加治屋圭斗 ヘア・メーク/今野 亜季(A.m Lab) スタイリスト/鬼塚美代子(Ange) 取材・構成/岡﨑 香