2年連続千葉大会ベスト4狙う新興勢力 千葉商大付に見た、大会で勝ち上がれる勢いの作り方
2023年夏、千葉大会は専大松戸が甲子園出場を決めたが、1つのチームが大躍進を遂げた。 【トーナメント表】夏の千葉大会 組み合わせ 千葉県市川市に学校を構える千葉商大付。2023年の夏の大会ではノーシードで大会を迎えたが、2回戦でシード校・千葉日大一にコールド勝ちで勢いづくと、3回戦では市立柏に延長12回の大熱戦の末、11対10で勝利した。 この勝利で大会の流れを完全につかむと、遂に準々決勝で強豪・木更津総合相手に8対4で勝利してベスト4入り。準決勝・習志野にはコールドで敗れたが、一役大会の主役級に躍り出る活躍だった。
ポイントゲームが来ればチャンスがある
その大躍進から1年。2024年はCシードとして夏の千葉大会を迎える千葉商大付。春の県大会ではベスト16で終わったが、秋の県大会でもベスト4入り。先輩たちが作った勢いそのままに、大会を勝ち上がっている。 まさにいま、流れに乗っている。乗りに乗っているチームをまとめる主将・藤﨑怜央は、「特に3年生が緊張感をもってやっているので、雰囲気が変わってきた」と大会に向けて上昇傾向にあると明かすと、1年前に先輩たちが見せてくれた活躍を、自分たちと照らし合わせながら振り返る。 「先輩たちがベスト4まで勝ち上がったことで、自信になりました。今まで甲子園が夢だったのが、現実的な目標になったので、いまは本気で目指せると思っています。 とはいえ、経験者は1人だけです。なので、今年もベスト4と期待してもらっていますが、今の自分たちはチャレンジャー精神です」(藤﨑主将)
ただ、チャレンジャー精神でベスト4に入れるほど簡単ではない。ノーシードから勝ち上がるには6連勝を要する。チームの投打の要・平林大吉は「先輩たちの作ったベスト4はすごいと思います」と改めて先輩たちの躍進に敬意を表している。 そんななか指揮官・吉原巧監督は「ポイントゲームが大会中に来たら、チャンスはある」と期待を寄せている。
選手、指揮官が語る、千葉商大付におけるポイントゲームの重要性
吉原監督の話す、ポイントゲームとは何か。吉原監督いわく、「そのゲームを境に、チームの状態を上げていく。選手たちがその試合を通じて自信を持って、大会に挑んでいく」試合のことだという。言うなれば、選手たちの自信の根拠となる、モチベーションが上がっていく試合が、吉原監督のいうポイントゲームである。 だから、試合内容が伴わなければポイントゲームにはなりえない。練習試合の相手から「ポイントゲームになるかもしれない」と吉原監督のなかで算段があっても、内容が悪ければ、ポイントゲームにはならないという。 秋の県大会では敗者復活戦直前に、ポイントゲームが見つかったという。 「新チームになって大幅にメンバーが入れ替わったこともあって、練習試合を戦っても負けてばかりだったんです。そのときは自信よりも、不安が大きかったんですけど、ポイントゲームで勝ち切れたことで、もう一度自信を付けられました。すごく重要な試合だったと思います」 相手はその夏、甲子園に出場して上位進出をしていた強豪校。相手はフルメンバーではなかったそうだが、甲子園で躍動した相手に勝ち切れたことで、選手たちは自信を取り戻した。 その後、敗者復活戦を勝ち抜いて県大会。そして県大会でも勝ち上がっていき、ベスト4まで進出。再び躍進してみせ、千葉商大付の実力を見せつけた。 今回の春の県大会では、大会前に強豪校との練習試合を実施。ポイントゲームに出会える可能性がいくつもあったが、自信を掴めるような試合展開にならず、ポイントゲームがないまま、春季大会をベスト16で終わった。