日本高野連、甲子園『朝夕2部制』の効果「休むことに価値」 観客の熱中症減少、動員に関し夕方は「厳しかった」
日本高校野球連盟が15日に大阪市内で開いた今夏の甲子園(第106回全国高校野球選手権大会)の第4回運営委員会で、3試合日に実施した「朝夕2部制」による効果が報告された。 実施されたのは開幕日から3日間。試合中、選手に熱中症の疑いが発生したのは8件で、1日平均は2・7件だった。 4試合日の第4日以降は50件あり、1日平均4・5件。50件の内訳は第1試合が11件、第2試合が15件、第3試合が19件、第4試合が5件。この結果に、日本高野連関係者は「2部制で休んでいる時間帯に多かったので、休むことに価値があるかな」と話した。 それ以上に効果があったと説明したのは観客の熱中症が減ったということ。球場内の救護室の受診者が、2022年の第104回大会が385人、昨年の第105回大会が486人と増加し、今年は479人だった。2部制の3日間は合計53人で、昨年の109人から半減した。日本高野連の調べによると、2時間ごとの時間帯受診者数では、4試合日の午後1時から同3時が平均11人と多く、2部制ではその時間帯が平均1・7人と激減した。 観客数に関しては、2部制の夕方のほうは「残念ながら動員が厳しかった」と同連盟関係者は話した。 熱中症対策について、同連盟は今夏の代表校の監督・部長にアンケートを実施したところ「効果がある」と答えたのは約8割。その一方で「選手のコンディション維持や応援団の帰りが遅くなるなど最終試合の終了時刻の遅さに懸念を示す声が目立った」としている。 来夏も朝夕2部制が継続される方向で、日本高野連の井本亘事務局長は「引き続き、どういう形がいいのか検討していきます」と話した。
中日スポーツ