お風呂で3分×3曲、懐メロを歌って長生きに。入浴中の転倒骨折、誤嚥性肺炎を防ぐ極ラク健康法とは
◆女性の半数が90代まで生きる時代、転倒・骨折を風呂カラオケで予防する 風呂カラオケを続けることによって、「介護が必要になる原因」の上位「転倒骨折」と、80歳以上のかたの死因にとても多い「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を予防でき、認知症につながる「老人性うつ」もやわらぎます。 今、日本人のほぼ3割が高齢者(65歳以上)になり、厚生労働省は、「90歳まで生きる割合は、2016年生まれで男性4人に1人、女性は半数」と予測しています。 人生100年時代、はやばやと要介護や寝たきりになったら大変です。 よくつまずく高齢者のかたは、ほぼ例外なくのどの筋肉が衰え、食事のときにムセやすかったり、声がかすれぎみであったりします。 逆に、スタスタ歩けるかたは、90歳を超えていても声につやとハリがあります。 これは偶然の一致ではありません。 どういうことかというと、のどの筋肉が丈夫なら、「誤嚥」だけでなく「転倒」の危険もぐんと減る。つまり、元気で自由に動ける老後をキープしやすいのです。
◆誤嚥を防ぐ、のどのフタで、「空気は気道」「飲食物は食道」に仕分けられる 2006年からの11年間に、食べ物をのどに詰まらせて窒息死した国民は約5万2000人。うち75歳以上が、73%を占めていました(厚生労働省人口動態調査)。 年間約3500人の後期高齢者が、食事のとき窒息して亡くなっている計算です。 のどの筋肉は、「誤嚥を防ぐ、のどのフタ」の開閉も担当しています。のどにはフタ(喉頭蓋(こうとうがい))があり、「空気は気道から肺へ」「飲食物は食道から胃へ」と、私たちの意思とは関係なく、交通整理をしてくれています。 たとえば、もちをのみこむときは気道でなく食道の方に行くように、気道の入り口を、のどのフタがパッと塞ぎます。 ところが高齢になって、のどの筋力が衰えると、フタの反射運動も鈍りやすく、もちが誤って気道の方に入りこみ(誤嚥)、最悪の場合、窒息死に至るのです。 高齢者に多い死因「肺炎」の大部分は「誤嚥性肺炎」です。飲食物や唾液、胃液などが誤って気道に入り、一緒に細菌も吸いこんでしまうことで起きます。 風呂カラオケは、この「のどのフタ」の強化トレーニングとしても最適です。 ※本稿は、『毎日10分-長生き風呂カラオケ』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
渡邊雄介
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