佐竹知事「Bプレミアに入らないとハピネッツが無くなる」新県立体育館の事業費増額について理解を求める
ABS秋田放送
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県議会は、17日、締めくくりの質疑、総括審査が始まり、入札の不調を受けて、事業費が110億円増えることになった新たな県立体育館について、質疑が相次ぎました。 さらに入札が遅れると、秋田ノーザンハピネッツの新たなトップリーグ・Bプレミア入りにも影響が出る可能性があり、佐竹知事は「Bプレミアに入らないとハピネッツが無くなる」と述べ、事業費の増額に理解を求めました。 県が秋田市の八橋運動公園に整備を予定している、新たな県立体育館。 今年7月に予定価格254億円で入札が公告されましたが、資材価格や労務費の高騰を理由に、事前に参加を表明していた4つのグループすべてが辞退。 入札は取りやめとなりました。 県は、入札を辞退したグループからのヒアリングなどを元に、入札のやり直しに向けて、予定価格を110億円増額する議案を県議会に提出しています。 自民 瓜生望 議員 「入札が不調になった原因である値上がりについて、県ですとか県が業務委託したコンサルタントの方で、今年7月の入札公告の段階で何らかの把握はできなかったのか」 佐竹知事 「きのう辺りのですね、東京の求人広告、鉄筋工で年収1000万です。あとは物資が無いもんですから、取り合いです。この7月以降に相当上がったのは確かですが」 「(入札辞退の)企業グループもすごく頑張ってやったけれども、何ともならないという」 みらい 三浦茂人 議員 「増額だけがクローズアップされていて、もっとコストダウン・削減する、そういうものが無かったのか検証はされましたか」 県観光スポーツ部 石黒道人 部長 「ここからさらに見直しをして、ここ少しずつ削ろうとやっても、そこから出る額は必ずしも大きくないだろうと。それに比べれば、いまこの入札をいったん止めて、1年なり2年かけて、そのわずかな見直しをして、また入札をするよりであれば、その間に上がっていくコストの方が高いのではないかというようなことを考えれば、様々な考えた場合、いまできるだけ速やかにやる方が県民の利益になるのではないかと、県として考えたところでございます」 新たな県立体育館は、秋田ノーザンハピネッツのホームアリーナとして使用されることになっています。 Bリーグの島田慎二チェアマンは、今月26日までに再入札が公告されることが、新たなトップリーグ・Bプレミア入りに向けた条件のひとつになるという認識を示しています。 「再度の入札不調は絶対に避けなければならない」との指摘に対し、県は、最初の入札を辞退した4つのグループの中で、再入札に参加する意思を示している事業者があることを明らかにしました。 佐竹知事 「ハピネッツがあれだけ頑張って、Bプレミアにもし入らないと、多分ね、ハピネッツが無くなるんですよ」 「(秋田の)バスケの歴史的な経緯も含めて、これはいまの段階で(増額は)非常に負担にはなりますが、進めることがよりベストではないかと、そういう判断です」 19日の本議会で、事業費の増額が承認され次第、県は速やかに再入札を公告する方針です。 国の交付金などを活用することで、増額した110億円のうち、県の実質負担は57億円あまりとみられています。 ほかの事業への影響について、県は、全くないとは言い切れないものの、費用は長期にわたり返済するため、「現時点ではコントロールできる範囲内ではないか」と説明しています。