「何のため?」疑問の声相次ぐが…本当にパリ五輪女子マラソンで骨折欠場した前田穂南の補欠入れ替えなしは日本の“不手際”なのか…鈴木優花は6位入賞の大健闘
鈴木とほぼ同じ時期に米国ボルダーで合宿を行った一山にとっては厳しいレースになった。序盤は集団を自分のペースで追いかけていたが、高低差156mの超難関コースに大苦戦。15㎞からのアップダウンで徐々に順位を落としていく。25㎞は61位での通過になった。それでも平坦になる終盤で順位を押し上げて、2時間34分13秒の51位で2度目の五輪を終えた。笑顔のフィニッシュにこれまでの〝苦悩〟が伝わってきた。 「順位を見るとすごく惨敗なんですけど、走る前は怖くて仕方なかったんです。でも実際に走ってみて、たくさんの方に応援していただいて、背中を押してもらいました。振り返ると、悔しいことの方が多かった3年間なんですけど、今日は無事にスタートラインに立てて、苦しいじゃなくてうれしい気持ちで、このマラソンを走れることができました。最後はありがたいなっていう気持ちでゴールしました」 そう話すと涙がとまらなかった。東京五輪の8位入賞が重圧になっていたのかもしれない。 今回、日本勢の出場は2人だけ。日本記録を保持する前田はまさかの「欠場」になった。 レース3日前の記者会見では、「身体の状態はだいぶ疲労がたまっていて、いま抜けていっている状態になります。スタートラインにいい状態で立って、自分の最大限のパフォーマンスを発揮して最後まで走り切りたいと思います」とコメントしていただけに、本当に緊急アクシデントだった。 日本陸連によると、前田は7月31日の練習で右大腿部付根付近に張りを感じたが、強い痛みでなかったため、チームドクターに連絡をとりながら練習を続けていたという。8月6日にチームドクターの診断とレントゲン検査を行い、8月7日にエコー検査を実施するも、大きな所見は確認されなかった。 その症状が改善されないため、8月9日にMRI検査を行ったところ、「右大腿骨疲労骨折」との診断を受けて、パリ五輪を欠場することになった。すでに日本が定めていた補欠解除指定日(8月2日)を過ぎているため、補欠選手との入れ替えはなかった。 一方パリ五輪の男子マラソンで優勝したエチオピアのタミラト・トラは補欠選手だったが、出場予定選手が直前に負傷離脱したことで直前に出場が決定した。 そのためファンからは「何のための補欠?」「補欠解除が早くない?」という疑問の声が上がっている。
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