<ゆびさきと恋々>アニメで繊細な心情を表現 手話のこだわり 村野佑太監督に聞く
◇教科書的な手話にならないように
--手話の表現で大切にしたこと、気を付けたことは?
手話はポーズではなく言語だということを手話監修の米内山(陽子)さんから幾度となく伝えられました。形だけ整えても感情は伝わらないと。指先にわずかに入る力みや震え、感情に沿うことであえて形を崩すなど、教科書的な手話にならないよう気を配っています。実際に耳の聴こえない方がこの作品の映像を見て、「絵なのにちゃんと手から感情が伝わる!」と伝えてくださった時はうれしかったですね。テレビ作品というスケジュール的な縛りの強い中、可能な限り時間をかけてこだわっています。
--大きな反響を受けて、感じていることは?
この作品はポジティブな面であふれているので、反響があるということはそれだけ多くの人にプラスの影響を与えられていることなのかな……と考えるとうれしくなります。普段考えないことまでいろいろ考えたんですよ、それこそ放送される曜日や時間帯の指定とか、視聴者の方にどう手渡すのがこの作品の魅力をしっかり伝えることになるのかなって。制作現場は佳境ですが、最後までしっかり真摯(しんし)に向き合って制作していますので、ぜひ最後まで見届けてもらえるとうれしいです!