食洗機を推す夫と、何となく拒否する主婦歴50年の義母。「長年の習慣を変える」たった4つの方法
食洗機や衣類乾燥機、便利家電ってありますし、使うと生活の質というよりも『自由時間』が圧倒的に増えます。そうなんだろうな~と知識として分かっていても日々の生活を変えるにはエネルギーがいるもの。自分のやってきた『やり方』を変えることは、若い人よりもベテランの方のほうが難しいのかもしれません。 時短家電や冷凍食品、日本の普及率はなぜ低い? お正月、東京に帰省していました。 夫の実家、東京に2泊しました。我々は関西在住のため、家族での帰省は久しぶり。コロナもあったのと、第三子が生まれてバタバタしていたのと…何かと帰省ができなかったここ数年。それに連動するかのように、やっぱり義父、義母も年をとりつつあります。滅多に会えないですが自分の両親の健康や生活を気にしている夫は、ずーーっと前から義母にこう言っています。 「母さん、食洗機を買いなよ」 「ちょっとでも家事、ラクしなよ」と。 うん。確かに。口には出しませんが心の中で私も賛同します。 義実家に行くと、嫁の私はなんだかずーーっと食器を洗っています。集まる人数も多いため、湯呑や小皿を出しては洗い、それを拭いて片付け…の繰り返し。嫁としては何を手伝えばよいのか勝手が分からないのでとにかく食器洗いのサポートに入る。分かりやすいお手伝いが出来るため、たまに来る嫁としては助かりますが、これを毎日している義母はたまったもんじゃないでしょう。 義母、ばつが悪そう。 久しぶりに遠方に住む息子が返ってきたのに、その息子が以前より絶賛薦める食洗機を導入していない。何となくすまない気持ちがあったようです。 義母、ぼそぼそと話し始めました。 「実はね、食洗機、何回か観に行ってるのよ。でもね、ほら、うちはお客さんも多いでしょ。近くに住む孫(義兄の子ども達)もよく来て一緒にご飯を食べるでしょ。1回じゃ食洗機が終わらないのよ。しかも大皿をよく使うから入らなくて…」 すると夫が畳みかけます。
夫は食洗器が大好きです。家でも積極的に食洗器の中に食器を手際よく詰め込み、洗浄にかけています。察するに、昔から自分の母親の『食器洗いの時間』の長さを不憫に思っていたです。 そんな彼は言います。 「いや我が家も5人家族でみんな水筒持参してるから、水筒洗うだけで1回の食洗機が終わっちゃうよ。全ての食器を1回で終わらせるって考えちゃダメだよ。何回かに分けて食洗機使ってるよ。母さん、もっとラクをした方がよいよ。毎回手で洗うなんて、時間がもったいないし、食洗機の方が水温も高温で洗えるから衛生的にもいいよ。」 義母が言います。 「でも、今持っている食器は上手くはいらないのよ。ほら、このお家、食器も多いでしょ。想像している以上に大変なのよ。」 というやりとりをしているので嫁の私は一応、助け船。もちろん義母に加担。 「あの~お話中ごめんなさい。お義母さん、確かに食洗機は便利です。でも生活に合わないのであれば、無理に導入しなくても良いと思います。家事に正解はないですし、そのままでもよいかなぁと。夫クンもそこまで畳みかけなくていいんじゃない?」 息子に詰め寄られ、うつむいた母、こう言います。 「ありがとう。ぽにちゃん。そうだね。確かに私ももうずーーっと洗ってるの疲れた。うちは自営業だからお昼休みにお家でご飯にするでしょ。父さんや他のスタッフの人にお昼ご飯をふるまう時もあるの。そうなると昼食後、食器を片さないといけない。休憩時間をそれに使ってるの。自分以外の人は机に突っ伏してねているけど、私だけ食器を片付けてるんだよね…」 そうですか…ほんなら、買ったらええんちゃうかな? というミルクボーイのネタのような返しはグッとこらえ、受け止めます。 いやこれ、意外とあるあるで難しい問題だと思うのです。義母は主婦歴50年近い、大ベテランです。嫁の私が見ていても手際もよく、よくぞまぁ、自営業と家事を切り盛りしているなぁと感心するほどです。でも、「自分さえ動けば何とかなること」って今のシステムを変更する方がストレスの時もあります。頭では変えるべきかなと分かっていても、変える方がエネルギーがいる。 そう。だからこそ、食洗機やルンバ、衣類乾燥機などに代表する時短家電が普及しそうでしていない。それが現実だと思うのです。 Panasonicが22年度に約30%食洗機の普及率を28年には50%にあげてやるぞ!それなりの技術投資もするぞ!と発表していますが、その数値が注目されるくらい、食洗機を代表する便利家電は普及率が低く、『のびしろ』があるとされています。