確定拠出年金アナリストが伝授!50代以上にとって最適なNISAとiDeCoの使い方
確定拠出年金アナリストの大江加代氏は著書『新NISAとiDeCoで資産倍増 人生100年時代の新しいお金の増やし方』(日経BP)の中で、「NISAもiDeCoも若者だけのものではない」と伝えています。40代、50代、60代はどのように使えばいいのでしょうか?この記事では、若者にはできない使い方を本書から一部抜粋して紹介します。
定年後のお金と生活に関する組み合わせは無限
50代に入ると、資産形成の目的は自らの老後資金準備に重点を移していくということになるかと思います。そして50代になると、将来もらえる年金や退職金などもおおよその金額を把握が可能で、老後のお金の“見える化”がしやすくなります。 実際に収支のキャッシュフローを作ってみると、いくら長生きしても支払われ続ける公的年金が、老後生活を支える最も大きな柱であることが分かります。 2004年に決まったマクロ経済スライド(現役世代の人口減少や平均余命の伸びを踏まえて年金給付の伸びを抑制する仕組み)による調整が当面はあるものの、今後インフレになっても物価・賃金にある程度連動するので安心です。 ただ、その公的年金を受け取るまでのつなぎ、あるいは年金に上乗せして余裕のある老後生活にするためのお金が必要です。 この不足分を補う「融通が利くパズルのピース」を準備するために、税制優遇があるNISAやiDeCoを活用して資産をつくり、老後に取り崩して使っていくということになります。 いつ、どれくらい使うかをある程度イメージしながらお金を準備すれば、目標に到達した時点で安心が得られます。では、具体的にどうすればいいか。現役時代の生活と違って、60歳以降の生き方や働き方は様々です。 何歳まで働くのか、公的年金を何歳から受け取り始めるのか、退職金や企業年金がある場合にその受け取り方はどうするか、など、定年後のお金と生活に関する組み合わせは無限にあります。 多くの人は、何が一番いいか? とか、どうすれば一番得か? という答えを欲しがりますが、人によって異なるので唯一絶対の正解というものはありません。