確定拠出年金アナリストが伝授!50代以上にとって最適なNISAとiDeCoの使い方
公的年金を受け取るまでの穴を埋める
また、すべてにおいてパーフェクトなプランというものはなく、何かを選択すればそれ以外の何かは諦めなければなりません。もろもろ考えた上で、自分にとって最も満足で納得のいくパズルを組み立てることが必要なのです。 例えば公的年金の受給開始を70歳まで遅らせて、受給額を65歳から受け取り始めるよりも42%増やすというのは、老後の暮らしを安定させて長生きリスクに備えるにはとてもいい方法なのですが、そのためには70歳まで公的年金を受け取らなくても済むように自己資金を手当てする必要があります。 70歳までフルタイムに近い働き方ができればそれが一番いいのでしょうが、もし65歳で完全にリタイアするのであれば、その後の5年間の生活を賄うための資金は用意しておかなくてはなりません。その最も有力な手段はiDeCoでしょう。 同様に60歳で完全に仕事を引退する場合は、公的年金の受給開始年齢である65歳までの5年間の生活費が必要になります。もちろん公的年金を繰り上げて60歳から受け取ることも可能ですが、その場合は受給額が最大で24%減りますから、暮らす上で上乗せする資金が必要になるかもしれません。こういった埋めるべき穴の部分を補うためのピースとして、NISAやiDeCoを活用するのが基本となります。 もちろん、現在ある資産や将来受け取れる年金、退職金で老後の暮らしは安心だという人は、ぜひ人生100年を豊かに楽しむためのお金をiDeCoやNISAで育ててください。大きく育てば、大きな楽しみが待っていますから、ワクワクしますね。 大江 加代 確定拠出年金アナリスト 株式会社 オフィス・リベルタス 代表取締役
大江 加代