サウナブームの一方で…激減する「昔ながらの銭湯」 今も残る貴重な銭湯に潜入!レトロ雑貨やマンガ本が溢れるノスタルジックな空間 新潟市「朝日湯」
近年のサウナブームを背景に多くの人が温泉やスーパー銭湯などを訪れている。だが、いわゆる「昔ながらの街の銭湯(一般公衆浴場)」はどうだろうか?全浴連によると、銭湯の数は約80年で9割以上減っているという。新潟市で今も営業している「昔ながらの街の銭湯」を取材した。
■激減する銭湯…約80年で1割に
街にある銭湯をしばらく利用していない、あるいは行った事がない人もいるのではないだろうか。それもそのはず。一般公衆浴場の全国団体の全浴連によると、全国の銭湯の数は1968年のピーク時には17999軒あったが、現在は1653軒ほどに激減し、銭湯が1軒もない自治体もあるという。 新潟県で現在営業している銭湯は18軒しかない。銭湯は今や新潟でも貴重な存在なのだ。
■新潟市の中心街の路地裏にたたずむ銭湯
新潟市で現在営業している「昔ながらの街の銭湯」は11軒確認でき、そのうちの1軒が新潟市の中心街・万代エリアの路地に佇む1932年創業の『朝日湯』だ。新潟駅から徒歩圏内で、再開発が進む万代エリアにあるとは思えないほどノスタルジックな外観だ。
辺りを見回すと、レトロな電化製品やおもちゃ、ポスターが所狭しと飾ってあるほか、マンガ本は本棚から溢れ、山積みになっている。 早川さんは「子どもの頃欲しくても買えなかったものが、大人になって買えるようになり、毎週のように買ってしまった。自分で楽しむだけじゃもったいないと思ってここに飾っている」と話す。
山積みになっているマンガ本は、かつては現在の倍の量はあったのだとか。量が減った理由を尋ねると早川さんは「お客さんが持って行っちゃうんだ。まぁ仕方ないやね。逆に自分のマンガ本を置いていく人もいる」と苦笑いしながら話す。お風呂上りにマンガ本に夢中になりすぎ、中々帰らない人もいるのだとか。
■解放感ある浴室は見事な壁画と3種類の浴槽が
高い天井と大きな窓が解放感を感じさせる浴室で、見事な富士山の壁画が印象的だ。 これは、2018年に銭湯絵師の丸山清人さんが描いたもの。圧巻の壁画を眺めながらお風呂に浸かるのも銭湯の醍醐味だ。そして男湯からは、窓を開けると庭が眺められるのだという。