【蒲郡ボート(ナイター)GⅠ周年記念】石渡鉄兵がGⅠ戦5度目のV/転がり込んだ勝機生かす
蒲郡ボートのGⅠ開設69周年記念「オールジャパン竹島特別」は最終日の13日、最終12Rで優勝戦(1着賞金1200万円)を争い、1号艇の石渡鉄兵(49)=東京=がコンマ03のトップSを張り込みイン逃げでV。通算5度目のGⅠ制覇を遂げた。2着は最後まで石渡を追い詰めた4号艇の池田浩二。3着は2号艇の峰竜太。3連単は1760円の4番人気。6日間の売上額は目標額の100億円を悠々とクリアする103億2744万3000円。年末に開催を控えるプレミアムGⅠ「クイーンズクライマックス」へ大きな弾みがついた。
■ヒーロー 今節乗ったのは、得意の江戸川の波ではない。勝負の流れに乗りまくった石渡が通算5度目、地元以外では初めてのGⅠ優勝を遂げた。 「東京以外でも勝てた。自分でもびっくりです」。これまでのGⅠは江戸川3回、平和島が1回。しかも今回下した相手は、地元愛知のエース池田浩二らSG覇者4人の豪華な顔触れ。それでもふんぞり返るわけでもなく、控えめに喜ぶ姿に人間性が表れた。 もうすぐ使い納めのエンジンで機2連対率がワースト。どう考えても不利な材料に「どうなることか・・・」と覚悟して迎えた開幕戦の初日1Rは4号艇で白星。4日目にはF艇の離脱による繰り上がりの白星もあって予選は3位。そして1号艇で迎えた準優を1着で通過すると、続く10、11Rで1号艇が敗れて、優勝戦は1号艇に。「怖いぐらい」というほど勝負運に恵まれ続けた。 ただ、そのチャンスを逃さなかったのは本人の勝負度胸と旋回技術。「分かる範囲でSを行って、それより早いのをこられたら仕方ない」。そう腹を決めて踏み込んだSは誰よりも早い03。「勘よりも前。気持ちが乗っていたんでしょうね」。これで有利な態勢に持ち込むと、1Mもミスなく回り、2コース以下をあっさり退けた。 長男の翔一郎が2022年11月にデビュー。「やっぱり張りがある。(優勝戦で対戦した)峰選手や池田選手が相手でもやれるんだぞというところを見せられた」。さらに続けて、「今節、ペラ調整で気付けたことがある。それも含めて自分にはまだ伸びしろがあるなとびっくり。今年50歳になるけど、まだまだ上を目指して頑張りたい」。 このVで賞金15位と出場未経験のグランプリの圏内へ浮上。次戦、尼崎のSGグランドチャンピオンでも、さらに自分を上の世界へと引っ張り上げる。(深堀慎一郎)
■プロフィル ◆石渡鉄兵(いしわた・てっぺい)1974年12月6日生まれ。千葉県市原市出身。木更津高卒業。登録番号3716。94年5月にデビューの74期。96年9月に江戸川で初V。GⅠ初Vも2010年10月の江戸川の周年で、江戸川ではとにかく強いことから「江戸川鉄兵」の異名を持つ。GⅠはこれで23優出5V。SGは5優出でVはまだない。長男・翔一郎もボートレーサー(131期)。160センチ、56キロ、O型。