アンチェロッティ、今季ノーゴールのベリンガムについて…「驚きは今季の無得点より昨季の得点数だった。私たちは彼のゴール必要としていない」
21日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第3節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウにボルシア・ドルトムントを迎える。前日会見に出席したカルロ・アンチェロッティ監督は、昨季CL決勝で戦った相手に対して、警戒感を表している 「ボルシアは変わった。まず監督、次にいくつかの選手がね。しかしながらフットボールのアイデア自体は変わっていないよ。彼らは激しいプレーを見せるチームで、個人および集団のクオリティーが高い。少し前に決勝という舞台で私たちと戦ったし、非常に難しい相手だ」 今季レアル・マドリーはここまでの13試合を9勝3分け1敗という成績で終えている。アンチェロッティ監督にとって、100点満点ではどのような評価となるのだろうか。 「私たちはまだ100%ではない。良い結果を手にしていると思うが、プレーのレベル自体を改善する必要がある。少しずつやっていくさ」 数週間前に、マドリーのフットボールは“ロックンロール”であると話したアンチェロッティ監督だが、そういったプレーを実現できているのだろうか。 「私がそう望んだのは、そのような特徴を持つ選手たちを擁しているからだ。私たちにしてみれば、ポゼッションをしたり試合をコントロールしたりすることの方が難しい。少ないスペースでプレーできる選手たちがいないからね。攻守が入れ替わる試合の方が都合が良いんだよ」 「だが現在の私たちは、昨季のような守備を取り戻すことに集中している。今の私たちの守備はソリッドではないんだ」 昨季、同じ時期にすでに10得点を決めていたMFジュード・ベリンガムだが、今季はいまだノーゴールだ。しかしイタリア人指揮官は、今季のベリンガムにゴールは期待していないと語り、攻守にわたる献身的な仕事ぶりを称えた。 「私たちは彼の仕事ぶりに満足しているよ。彼はピッチ上で多くのことを行っている。しっかりと競争に臨み、自分を犠牲にしながら懸命に働いているんだ」 「今季、彼は昨季のようにゴールを決めていない。だがサプライズは今季ではなく、得点を量産していた昨季の方だったんだ。私たちはベリンガムのゴールを必要としていない。前線には素晴らしい才能を持つ選手たちがいるからね。私たちにとってはベリンガムが現在取り組んでいる仕事の方が、昨季の仕事よりよっぽど重要だ」 とはいえアンチェロッティ監督は、ベリンガムが2列目から飛び出せるようなシステムを模索中のようだ。 「セルタ戦では彼のポジションを変えて(3-4-2-1の2列目の)右に置いた。そうすれば2列目から飛び出したとき、よりスペースを得られるかと思ってね。今季の左サイドはより密度が濃く、反対に右サイドの方が手薄となっている。ベリンガムやロドリゴを右サイドで使って、より効果的にプレーさせられるかもしれないね」 イタリア人指揮官は2-1で勝利した前試合セルタ戦で、3バックと4バックの可変システムを使用したと振り返っている。 「ボールを持っているときには3バックで、ボールを持っているときには4バックにならなければならなかった。このチームは5バックで守備をするわけではない。3バックになるのはボールを持つときであり、ボールなしではいつも通り4バックで守らなければならなかったんだ」 「マドリーは5バックでは守らない。終了間際で勝っているときには6、7バックになるかもしれないが、考え方としては、いつだって4バックが出発点だ」 パリ・サンジェルマンのルイス・エンリケ監督は、ドキュメンタリー映像でFWキリアン・エンバペに対してもっとプレスを仕掛けるよう要求していた。ではアンチェロッティ監督は、エンバペに何を要求しているのだろうか。 「ゴールを決めろ、だね。私はプレスを仕掛けるよりゴールを決めてもらうことを望んでいる。エンバペに対しては、ベンゼマと同じことを指示するよ。つまりは、良いポジションを取って備えてもらい、ボールを取り返したときに迅速なトランジションを実行してもらうんだ」 アンチェロッティ監督は最後に、レアル・マドリーの最年長出場記録を更新したMFルカ・モドリッチについて触れた。 「彼は唯一無二の選手。世界で唯一、私たちの陣容で唯一の選手なんだ。あまりに経験豊富であり、ボール、ポジショニング、試合を扱う能力は誰とも比較できない。そういった点で、彼は私たちを本当に助けてくれた。ボルシア戦でも先発するかどうかに関係なく、大きな助けになってくれるだろう」