保護猫と過ごす民泊施設オープン 譲渡や一時預かりも 広島県呉市の「にゃんSTAY」
古民家を再生し、地域で保護された猫と触れ合える民泊施設「にゃんSTAY」が広島県呉市室瀬町にオープンした。多数の猫がいる宿泊施設は珍しく、海外客の利用も増えているという。希望者への譲渡にも応じ、新しい飼い主探しの場として愛猫家に注目されている。 【写真】保護猫と過ごす民泊施設の内部 元看護師の大下理栄さん(55)が10月、住宅街の一角に開いた。国の補助金を活用し築100年の木造2階建ての空き家を改修。自宅も兼ねる。約180平方メートルのスペースに客室3部屋とカフェを設けた。ドミトリー形式で、1泊1人6千円、定員は最大12人。2カ月~6歳の猫約30匹がいる。 高台にある宮原高からさらに急坂を上る場所にある。「分かりにくい場所なのにネットで口コミが広がり、海外からも宿泊客が来る。猫に癒やされたい人が多い」と大下さん。サラリーマンや海上自衛隊員の利用も目立つという。 飼い主として引き取りを希望する際には、大下さんが飼育環境を聞き取り、譲渡できるかを判断する。既に2匹が家族の一員として引き取られた。出張時などの一時預かりにも有料で応じる。 大下さんは10年ほど前に市動物愛護センター(郷原町)で猫を引き取ったのを機に世話を始め、育てられなくなった人からの相談にも応じてきた。5年前に本通6丁目に猫カフェを開業し、民泊施設の開業に合わせて室瀬町に移転した。 施設のあるエリアは高齢者が多く、空き家も目立つ。「猫を通じて、過疎化する地域に活気を生むきっかけにもしたい」と意気込んでいる。
中国新聞社