「ワンクラブマンになりたい」 ビルバオの象徴となったFWイニャキ、7年ぶりの欧州大会を前に“待望”の宣言
アスレティック・ビルバオのFWイニャキ・ウィリアムズが、ヨーロッパリーグ(EL)第1節ローマ戦に向けた前日会見に出席した。25日、スペイン紙『エル・デスマルケ』が伝えている。 7年ぶりに、ロス・レオネスがヨーロッパに帰ってきた。昨シーズンのコパ・デル・レイ(国王杯)王者としてヨーロッパリーグ出場権を獲得したアスレティック・ビルバオが、最後に同大会を戦ったのは2017-18シーズン。ヘルタ・ベルリンらと同居したグループリーグを首位で通過し、ラウンド32でスパルタク・モスクワを破ったものの、続くラウンド16でマルセイユに敗れていた。それ以来、ラ・リーガで中位を彷徨い、国王杯では2大会連続で決勝戦に進出したが、あと一歩届かないシーズンを過ごした。 それでも、ホセ・アンヘル・シガンダ氏、エドゥアルド・ベリッソ氏、ガイスカ・ガリターノ氏、マルセリーノ・ガルシア・トラル氏と4人の監督が立ち代わり指揮を取った後、2022年夏にエルネスト・バルベルデ氏が帰ってきた。アスレティック・ビルバオを欧州大会に導いた最後の指揮官は、就任1年目こそ8位に終わったものの、2年目となった昨シーズンは前述した国王杯優勝に、5位フィニッシュと再建。特に、アリツ・アドゥリスの引退以降は、センターフォワードとして起用されてきたイニャキを本職のウインガーに戻したことも成功の要因に。2年連続で2桁得点をマークするなど、得点力不足と嘆かれていたチームは、リーグ屈指の攻撃力を誇るチームへと変貌を遂げたのだ。 そんな”晴れ舞台”となる第1節ローマ戦に向けた、前日会見に出席したイニャキは「ここに帰ってくるのは大変だった。喜びと野心に満ちた表情を目にする日々がまた戻ってくる。僕たちは自身の力を証明し、アスレティックのエンブレムを頂点に持っていきたいんだ」としつつ、「明日はとてもタフな相手だけど、手始めに勝ち点3を得るために、ここでうまくやれる自信がある」と決意を語った。 さらにイニャキは、同会見にて全ビルバオニスタが待ち望んだ宣言をする。「ワンクラブマンになりたい。アスレティックでキャリアを全うしたい」と。それは高尚で、崇高で、壮大で、ほんのひと握りの選手にしか許されない願い。イケル・ムニアインでさえも叶えられなかったものだ。続けて「振り返ってみたとき、自分が成し遂げたすべてのことを思い出すけど、まだ最高の夢はそこにはないんだ。子供の頃、僕はいつも大きなことを夢見ていた。アスレティックのリーダーになるというね。それを少しずつだけど、叶えているのを実感する度に、とても誇らしい気持ちになる」と胸中を明かしている。 先のマルセイユ戦でゴールを決めた同選手は、アスレティック・ビルバオの欧州大会における最後のスコアラーとなっている。あれから7年、当時は“期待の若手”として注目を浴びてきたイニャキが、“アイコン”として止まっていた欧州での冒険を再開させようとしている。2024-25シーズンのファイナルの地は、図らずも本拠地『サン・マメス』。そこへと繋がる最初の1点は、イニャキから生まれるのだろうか。注目の一戦は、日本時間27日午前4時キックオフ予定だ。
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