『ライドカメンズ』はファンに受け入れられない?多くの作品が通って来た「仮面ライダーじゃない」と言われる歴史
仮面ライダーを元にした新作スマートフォンゲーム『ライドカメンズ』。どこか過去作品の面影を残しつつも、全く見た目の異なる仮面ライダーたちの登場に、ファンからは大きな驚きの声が上がりました。 【画像】発表されている『ライドカメンズ』のスタッフ陣 しかし中には「こんなのは仮面ライダーじゃない」という声も上がっています。果たして本作はファンとしてアリなのでしょうか? ◆仮面ライダーとはなんなのか そもそも皆さんにとって「仮面ライダー」とは何でしょう。 悪の秘密結社と戦う改造人間? 根本ではありますが、平成に入ってからは改造人間じゃないパターンの方が多いです。 名前の通り、仮面にバイク乗りのライダー? 2014年には車に乗った仮面ライダーが話題となりましたね。 変身して戦う正義のヒーロー? 最近では敵対する悪の仮面ライダーも増えました。 このように、仮面ライダーというものはもう簡単には括れないような段階になっているのです。 また、仮面ライダー自身の形もかなり自由になりました。令和に入ってからは、剣の形の仮面ライダーやスケボーの形の仮面ライダー、巨大なカエルやライオンのようなライダーも存在します。 見た目すらも、仮面ライダーの判断基準たり得ません。 ◆ライドカメンズは今までのファンを置いていく? さて、ではなぜ本作に否定的な意見が上がっているか。まずはその見た目でしょう。顔全体を覆う一般的なライダーとは異なり、『ライドカメンズ』のライダーたちはバイザーのような仮面を付けています。 前述した通り、もはや見た目はライダーの判断基準では無いとはいえ、たしかに違和感を覚える意見も分かります。 加えて、この見た目も含めて「女性向けのゲームにライダーを利用したいだけなのでは?」という意見もみられました。 ただ、この点に関してはいくつか考えたい部分もあります。まず、仮面ライダー自体は多くの変身者が男性。アプリ化しても男性ばかりになるのは至極当然の結果です。 さらに、制作陣も過去の仮面ライダーに携わってきた方ばかり。 世界観構築・メインシナリオは「ギーツ」「エグゼイド」全話の脚本を手掛けた高橋悠也氏。世界観監修・プロデュースには、「ギーツ」「鎧武」「オーズ」など様々な特撮作品に携わってきた武部直美氏が担当しています。加えて、平成ライダーを支えてきたスーツアクター・高岩成二氏の名前があるのもファンにとっては嬉しいポイントですね。 登場しているライダーが過去の作品を元にしていそうな点からも、決して今までのファンをないがしろにするような作品では無いと感じます。 そもそも仮面ライダーシリーズは男児、男性向けでありながら、俳優面などから女性ファンもいる作品。まだ詳細なストーリーも分からない現段階で男性向け、女性向けを断じるのはナンセンスかもしれません。 ◆『ライドカメンズ』だからこそ見れる奇跡 既存のキャラを元にしながらも、あくまで別の作品である『ライドカメンズ』だからこその魅力もあります。 例えばウィズダムシンクスは、主人公をモチーフにしたライダーが居ない変わったクラス。もちろん全員元となったライダーとは別人ですが、迅、斬月、王蛇、ブラッドスターク(エボルト)のチームには「頭おかしい(誉め言葉)」という意見も。 メインライダーだけでなく、サブライダーにも焦点をあてている点も、ファン目線では嬉しいポイントですね。 そんな中で話題となったのが、ホースオルフェノクをモチーフにした仮面ライダー紫苑。怪人モチーフである点ももちろんなのですが……元となった「仮面ライダーファイズ」でホースオルフェノクを演じていた泉政行氏は、若くして亡くなられているのです。 違う方が演じるホースオルフェノクはもはや別物となってしまいます。ですが『ライドカメンズ』の世界では、そもそもが別人のため違う形で見ることが可能。性格も元となった人物と共通点があり、新たな形でホースオルフェノクを見れることに喜ぶファンもみられました。 ◆『ライドカメンズ』は可能性の塊 仮面ライダーシリーズは、過去に何度も「こんなのは仮面ライダーじゃない!」という批判を受けてきました。過去に公開された映画では、「平成ライダーなど、ライダーとは認めん!!」という台詞もあったほど。 ですが仮面ライダーは様々な変化をしながら、50年以上続いています。 別の映画の台詞を借りるなら、「簡単に纏められないほどライダーの歴史は芳醇」なのです。 漫画、アニメ、舞台……広がってきたライダーの歴史に、『ライドカメンズ』というページが増えても良いのでは無いでしょうか。そこから仮面ライダーに興味を持ってくれる人が増えるなら、ライダー好きとしてこれほど嬉しいことはありません。 過去にも仮面ライダーのアプリは多く配信され、サービス終了を迎えてきました。だからこそ、本作のサービスが長く続けば、それは世界に受け入れられたということに他なりません。 配信前から気が早い話ではありますが、まずはこの新たなライダー達の世界に、ファンもそうでない方も興味を持って欲しいなと、いち仮面ライダーファンとして感じるばかりです。 最後になりますが、「片目バイザーはもはや仮面じゃ無くない?」という意見にだけは肯定を示して、記事を終わります。 (もっとも、本作品の「仮面」要素は見た目では無いのかもしれません) ©石森プロ・東映 © BANDAI
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