経済同友会の新浪剛史代表幹事（鴨志田拓海撮影）

経済同友会の新浪剛史代表幹事は18日の記者会見で、連合が令和7年春闘の基本構想に6年春闘と同水準となる「5％以上」の賃上げを求める方針を明記したことについて、「物価の上昇を上回る分がないと生活（水準）は下がるので適当だと思う。企業としては上げる気がある」と述べた。経済同友会が会員を対象に実施したアンケートでは7年春闘での賃上げに関して68・3％が「実施予定」と回答。これを踏まえて連合の春闘方針に一定の理解を示した形だ。新浪氏は「ただ、どのレベルにするかはこれからの（労使の）議論だ」とも語った。 【グラフでみる】賃上げ率の推移 大手企業との格差を進めるため中小企業の賃上げ要求を「6％以上」としたことについては、「いい意味でおもしろい政策で驚きを持っている。中小企業が（日本の）7割の従業員を抱えており、議論に値する」と前向きに評価した。 また、新浪氏は最低賃金を時給１５００円に引き上げる政府目標についても言及。これに理解を示した上で、「支払えない中小企業は（市場から）退出すべきで、払えないのは経営者失格だ」と強調した。中小企業が賃上げしていくためには「大企業がちゃんと応援しないといけない」と述べ、人件費などのコスト上昇分を、大企業への製品納入価格に転嫁できる態勢の強化が急務との考えも示した。（佐藤克史）