東京五輪マラソン代表の一発選考方式の是非。 強化につながるのか
なおMGCレースに出場するには、以下の大会(2017~18年度)で基準を突破しなければならない。 男子は福岡国際、東京、びわ湖毎日(日本人3位までは2時間11分00秒以内、同6位までは2時間10分00秒以内)、別府大分毎日(日本人1位は2時間11分00秒以内、同6位までは2時間10分00秒以内)、北海道(日本人1位は2時間15分00秒以内、同6位までは2時間13分00秒以内)。 女子はさいたま国際(日本人3位までは2時間29分00秒以内、同6位までは2時間28分00秒以内)、大阪国際女子、名古屋ウィメンズ(日本人3位までは2時間28分00秒以内、同6位までは2時間27分00秒以内)、北海道(日本人1位は2時間32分00秒以内、同6位までは2時間30分00秒以内)。 この他に「ワイルドカード」で出場権を得ることもできる。その基準は以下の4つだ。 2017年8月1日~19年4月30日までに開かれる国際陸連が世界記録を公認する大会において男子は2時間8分30秒以内、女子は2時間24分00秒以内で走るか、期間内の上位2つの記録の平均が男子は2時間11分00秒以内、女子は2時間28分00秒以内の選手。2017年ロンドン世界選手権のマラソン入賞者(8位以内)、2018年ジャカルタ・アジア大会のマラソンで3位以内、MGCシリーズ各大会において、気象条件等によりMGCレースへの出場資格を1人も満たさなかった場合、強化委員会が出場資格相当と判断した選手。 最後の強化委員会が出場資格相当と判断した選手の項目を除いたうえで、上記の基準を「リオ五輪選考時」に当てはめてみると、男子は選考レースで基準をクリアしていたのが、五ケ谷宏司(JR東日本)、川内優輝(埼玉県庁)、高田千春(JR東日本)、松村康平(MHPS)、小林光二(SUBARU)、黒崎拓克(コニカミノルタ)、酒井将規(九電工)、石川末廣(Honda)、佐々木悟(旭化成)、藤原正和(Honda)、足立和弥(旭化成)、門田浩樹(カネボウ)、佐野広明(Honda)。ワイルドカードでモスクワ世界選手権5位の中本健太郎(安川電機)。以上の14名がMGCレースへの出場権を得ていたことなる。 実際にリオ五輪代表に選ばれたのは、佐々木、石川、北島寿典(安川電機)の3名。今回の新方式では北島に代表のチャンスはなかった。MGCレースは一発勝負であるものの、予選(基準)をクリアしたうえでの決勝というイメージに近い。初マラソンとなる大阪女子で日本最高記録を樹立して、バルセロナ五輪代表に選ばれた小鴨由水のようなシンデレラストーリーは消滅することになる。一発屋を排除して、少なくとも二度はマラソンで結果を残した選手が選ばれるため、本番での安定感を確保するという意味では悪くないスタイルだ。