金山労働者の追悼式、初開催 韓国側は不参加 新潟・佐渡
「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の世界文化遺産登録を受けて、朝鮮半島出身者を含む全労働者の追悼式が24日、同市で初めて開催された。 【写真】「佐渡島(さど)の金山」の象徴である「道遊の割戸」 日本側から政府代表の生稲晃子外務政務官らが出席したが、韓国側は政府関係者や労働者遺族の参加を見送った。 金山の世界遺産登録を巡り、韓国政府は当初、朝鮮半島出身者の「強制労働の現場だ」として反発。日韓両政府が水面下で交渉を進めた結果、現地で毎年「全ての労働者のための追悼行事」を執り行うことなどで合意し、韓国側も登録に同意していた。 24日の追悼式には、韓国側からも政府関係者や労働者遺族が出席する予定だったが、23日に急きょ不参加を決定。韓国外務省当局者は「式前に両国が受け入れ可能な合意に至るのが難しいと判断した」と説明しており、生稲氏が過去に靖国神社に参拝したと報じられたことを問題視したとみられる。 午後1時から行われた式典には花角英世県知事ら70人が出席。亡くなった労働者に黙とうをささげ、献花台に花を供えた。 生稲氏はあいさつで朝鮮半島出身の労働者について「故郷から遠く離れたこの地で、家族のことを思いながら坑内で危険で過酷な環境の下で困難な労働に従事された」と言及。「世界遺産に登録されたいまこそ、未来に継承していくとの誓いを新たにしないといけない」と述べた。 追悼式の実行委員長で、世界遺産登録に向けて活動してきた市民団体会長の中野洸さん(83)は終了後、「(韓国側にも)出席していただきたかった。残念だ」と話した。