【MLB】 レイズの来季本拠地が決定 ヤンキースの施設スタインブレナー・フィールド ハリケーンの影響
日本時間11月15日、タンパベイ・レイズが来季2025年のホームゲームをフロリダ州タンパのジョージ・M・スタインブレナー・フィールドで行うことを発表。地元メディア「タンパベイ・タイムズ」のマーク・トプキンらが伝えている。レイズの本拠地トロピカーナ・フィールドは先月のハリケーン「ミルトン」によって被害を受け、2026年まで修復の見込みが立っておらず、来季の仮本拠地を探していた。そこでヤンキースがスプリングトレーニングでも用いるシングルAの球場をレイズに提供する形となった。 レイズの本拠地トロピカーナ・フィールドは、先月の強力なハリケーン「ミルトン」によって屋根が大破。復旧は早くとも2026年と言われており、レイズはフロリダ州の各球団のスプリングトレーニング施設を候補として探していた。ブルージェイズのシングルAがあるダニーデンやフィリーズのシングルAがあるクリアウォーターなどが検討されていたが、スタインブレナー・フィールドが最も適した施設だと判断されたようだ。 スタインブレナー・フィールドは、フロリダにあるスプリングトレーニング用の球場の中では最大の11026人を収容可能で、13のスイート座席を備えている。2017年には4000万ドルをかけて改修も行われており、MLB球団の本拠地としての基準に近いクオリティを誇る。レイズの本拠地としてシーズンを通して使用するために、オフシーズンの間にクラブハウスの拡張やトレーニング・リハビリ施設をアップグレードを行う予定だ。 ヤンキースのハル・スタインブレナーオーナーは、快く自球団の施設を同地区ライバルのレイズに提供することとなった。同氏は「ヤンキースの組織も私の家族もタンパベイ地域に深く根ざしており、レイズの選手、従業員、ファンにとって、2025年のホームゲームがトロピカーナフィールドから30分以内の場所で開催されることがいかに意義深いことか理解している。このような時勢では、ライバル関係や競争よりも、地域社会にとって正しいこと、つまりハリケーン・ヘレンとハリケーン・ミルトンによる壊滅的な被害から家族や企業が立ち直るのを引き続き支援することの方が重要だ」とコメントしている。 ただ、懸念点として挙げられているのが、多くのスプリングトレーニング用の球場がそうである通り、スタインブレナー・フィールドには屋根がない点だ。フロリダの夏は暑く、また雨も多い。スタインブレナー・フィールドで試合を行っているヤンキースのシングルA球団では、過去10年で1シーズン平均6.4回の天候による順延が起きている。「シーズン中の雨天延期の記録を樹立できることに興奮している」とは、レイズの守護神で選手組合代表のピート・フェアバンクスのコメントだ。 一方、メリットも存在する。これまでのトロピカーナ・フィールドはタンパとは程遠いセント・ピーターズバーグのダウンタウンに位置しており、なかなか客足を集めにくかった。しかし、スタインブレナー・フィールドはタンパの中心部にほど近く、NFLバッカニアーズの本拠地が目と鼻の先という位置にある。2028年の新球場オープンに向け、これまで参入できなかった市場層に参入できるチャンスでもあるだろう。