「大阪同士で優勝決定戦を」サントリー、パナソニック、堺がファイナルステージへ決意 ── Vリーグ男子
2年前に優勝した堺は、今季から「外国人に頼らないバレー」を目指し、改革にチャレンジしながらの戦い。レギュラーラウンドの最後の最後までチャレンジマッチ(7・8位チームは下部リーグと入替戦)が見えたギリギリでの通過だった。「予想はできていたが……フルセット負けが多かったので新システムのおかげでファイナルに残ることができた。レギュラーラウンドで負け越したチームの優勝は今までにないので、それに挑みたい。怖いものがないのが強み。気持ちも上がっているし、けが人もなく、全員が先発経験もしている。臨戦態勢で挑戦していきます」と印東監督もやる気十分。 女子同様、ファイナルステージは「ファイナル6」と銘打ち、まずレギュラーラウンド上位6チームによる1回戦総当りで順位を争う。レギュラーラウンドの1位から5位のチームにはそれぞれ5点、4点、3点、2点、1点が付与され、勝ち点との合計が最上位チームは優勝決定戦へ、2位と3位のチームは新たに「ファイナル3」を戦い、勝者が優勝決定戦へと進む。 「ファイナル6」は1日の大阪から始まり、3月7、8日が岐阜(岐阜メモリアルセンター)、14、15日が長野(松本市総合体育館)、21、22日が東京(大田区総合体育館)で、「ファイナル3」は3月28日に宮城(ゼビオアリーナ仙台)でそれぞれ開催される。 「大阪同士で優勝決定戦をやれるように頑張ります! もちろん最後はサントリーが優勝!」とジルソン監督。なにわの新監督3人の采配にも注目だ。
「ファイナル6」女子大会・久光が初戦白星
28日、同体育館で始まった「ファイナル6」女子大会はいきなり昨季1位の久光製薬対2位の岡山が実現。昨季の決勝カードにふさわしくラリーの応酬に。ともにセットを取り合い1-1となった第3セット、岡山が走り7-4とリードしたが、そこから久光のコートキャプテン新鍋(理沙)が3本連続でアタックを決め追いつくと、9-9の勝負どころでも強烈なジャンプサーブで岡山のサーブレシーブを崩し11-9と逆にリード。「そこで思い切った攻めができず、相手に流れをやってしまった」と岡山のセッター宮下(遥)が悔やんだように、リズムをつかんだ久光は石井(優希)が軟硬織り交ぜた攻撃でポイントを重ね、要所でエース長岡(望悠)が切れの鋭いアタック。粘る岡山を突き放し、3-1で久光製薬が初戦を白星で飾った。久光は8ポイント、岡山は3ポイント。 「初戦で相性が良くない岡山との対戦で3ポイントが取れたのは大きなこと」と中田久美監督。「3セット目リードされたときの久美さん(監督)の指示はコートの6人だけでなく全員が“自分の仕事、役割をやろう”だった。自分の役割を考えて果たそうと思った」と新鍋。「初戦が大事だと思っていたので、勝ててよかった。他のチームは久光を倒すことに挑戦しているし、久光は今季の自分たちの挑戦、3連覇のプレッシャーに挑んでいる。これからもチームは家族という意識で、とにかくシンプルにチーム力でみんなを信じて戦いたい」とVOM(Vリーガー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた長岡は次戦へ思いをこめた。 一方、同じく関西を拠点とする東レはNECにストレート負け。「NECに思うままやられてしまった。リズムを作るきっかけを作れなかった」とエースの木村(沙織)。ポイントは加えられなかったが、迫田(さおり)は「初戦は0-3という結果に終わってしまいましたが、でもゲームは続くので反省し練習してこの一週間でレベルアップしていけるようにしたいです」と自分に言い聞かせていた。 その両エースの強打をディグし、NECの初戦白星に貢献したリベロの岩崎(紗也加)がこの試合のVOMに。実は地元・大阪府八尾市生まれで大阪国際滝井高校出身。「知り合いとかたくさん見に来てくれている中で初戦を勝てて地元でいいスタートが切れてよかった。ブロッカーとの連携の中でエースの迫田さん、木村さんの攻撃を拾いたいと思っていたので、よかったと思います。これからも拾ってつなぐ粘り強いNECらしいバレーをやっていきたい」と笑顔だった。