「今回こそ最後の活動に」元島民ら500人が北方領土返還求め、都心を行進
THE PAGE
12月15日山口県長門市で開かれる日ロ首脳会談を間近に控え、北方領土元島民らが東京銀座などを行進する返還要求アピール行動が1日、行われました。元島民でつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)の脇紀美夫理事長はじめ、約500人の返還運動関係者らが参加。元島民たちの真摯な思いで首脳会談での領土問題解決につなげようと、横断幕と小旗を手に、都心部を歩きました。
この行進は、戦後71年経ってもロシアに不法占拠されたまま、解決していない北方領土問題を全国に広めることを目的にしています。戦後間もない1945(昭和20)年12月1日、当時の安東石典根室町長が、マッカーサー連合国最高司令官に北方領土返還を求める陳情書を提出することとし、この行動が返還要求運動の始まりとされていることから、平成19年から、毎年この日にアピール行進を実施しています。
日比谷公園野外音楽堂で行われた出発式では長谷川俊輔根室市長が、日ロ首脳会談は「山場を迎えていると感じている。この絶好の機会、機運を高め、政府を後押ししましょう」などとあいさつ。根室管内を中心にした元島民約60人を含む全国各地から集まった返還運動関係者などおよそ500人が公園を出発しました。 参加者は列をつくり、「北方領土問題の早期解決を実現しよう!」と書かれた横断幕や小旗を手に、「日ロ首脳会談を成功させよう」、「平和条約を締結して日ロの新時代を築こう」などと声を挙げながら、銀座外堀通り、数寄屋橋など計2.2キロを行進しました。
ことしは、歯舞群島・色丹島の2島返還後に平和条約締結を決めた日ソ共同宣言から60年の節目の年で、15日にはプーチン大統領が来日して首脳会談が控えています。高齢化の進む元島民たちは、今回の首脳会談による領土問題進展へ切実な思いを訴えようと、最後まで歩き続けました。行進を終えて千島連盟の脇理事長は15日の首脳会談が「きょうの天気のように、雨の後に晴れ上がる。そんな結果になってほしい」と語りました。