アプライド、40億ドル事業で米半導体法に基づく補助金受けられず
（ブルームバーグ）： 半導体製造装置で米最大手のアプライド・マテリアルズは研究開発（Ｒ＆Ｄ）センターの建設計画を巡り、国内の半導体業界を支援する法律に基づく補助金を受け取れないとの通告を米当局から受けた。シリコンバレー中心部での注目のプロジェクトに致命的な打撃となる。
同社はカリフォルニア州サニーベールに40億ドル（約6000億円）規模の施設を建設するため、大規模な半導体製造拠点を対象としたいわゆる「ＣＨＩＰＳ法」に基づくプログラムを通じて資金援助を受けるよう１年余り前から取り組んでいた。
だが、事情に詳しい関係者によると、商務省の担当者は７月29日、このプロジェクトは適格ではないとの判断に基づき補助金を支給しないと決めたという。
ＣＨＩＰＳ法の助成金却下は異例ではない。670社以上の企業が資金提供を希望しており、商務省の担当者は、リソースが限られているため、多くの有力な応募企業でも断らざるを得ないことがあると常に警告していた。
だが、関係者によれば、アプライドの申請拒否は、このプロジェクトが国内半導体産業の復活というバイデン政権の目標に極めて合致していることを踏まえると、際立っている。関係者は非公開情報だとして匿名を条件に述べた。
アプライドはコメントを控えた。政府資金の支出を担当する商務省の担当者は、申請の状況に関しコメントせず、同省の担当者は声明で、「適格性に関して時期尚早な決定や示唆をすることはできないし、するつもりもない」と説明した。
アプライドは当初、商用Ｒ＆Ｄ施設を支援するイニシアチブの活用を望んでいたが、軍用半導体を重視した別の取り組みを巡り政権と議会が対立したこともあり、商務省はこのプログラムを断念。
商務省関係者はさらに予算が得られれば、商用Ｒ＆Ｄイニシアチブを復活させるつもりだとしているが、ＣＨＩＰＳ法助成金プログラムを30億ドル増やすという最近の取り組みが議会で停滞しているため、その可能性は低い。
