「東京都知事選」候補者 政策ごとのスタンスは <防災インフラ>
2月9日に投開票を控えた東京都知事選。これまでの選挙戦では、2020年東京五輪への対応や、待ったなしの少子高齢化対策、老朽化が進むインフラ防災対策、原発政策へのスタンスなど、さまざまな論点が議論されています。ここでは、宇都宮健児氏、田母神俊雄氏、舛添要一氏、細川護熙氏(届け出順)の4候補者が、それぞれの政策についてどんな考え方を持っているのか、1日に行われた「ネット討論会」(ネット事業7社共同企画)での発言を基に紹介します。最終回は「防災・インフラ対策」です。 【動画】で見る政策比較「五輪」「原発」「社会保障」「防災」
■宇都宮健児氏
耐震工事や木造の不燃化工事は、今は延焼を防ぐための道路の周縁地域の都民の建物だけが助成の対象。お金がない人もできるように、都が助成金を出して耐震工事、不燃化工事を進めるべきだ。そして、東京湾のコンビナート地帯の震災対策が重要。東京湾には5000基以上のガソリンタンクや12か所の火力発電所がある。 民間の高層ビルなどと連携して避難所として活用。地震時の火災発生率を下げるために、各家庭に耐震ブレーカーを設置させる。避難所になることが多い都立の学校の屋根にソーラー発電システムをつくる。
■田母神俊雄氏
木造住宅が多い環状7号線沿いは防火対策を施していかねばならない。耐震化工事を行う個人や企業に対する減税を考えている。消費税増税対策として1兆円規模の減税と1兆円規模の公共事業を行い、景気維持と同時に耐震化を強化する。 災害時に即時に動ける災害救助体制ができていない。災害発令と同時に、警察、消防、自衛隊、あるいは建設会社、運送会社が即時に動ける「即応」体制を作っておく必要がある。それには自衛隊での経験が役立つと思う。電線地中化を進め、緊急時の水や食料の備蓄を700万人分確保する。
■舛添要一氏
先月の有楽町駅近くの火災では新幹線が5時間止まったが、道が狭くて消防車が消火活動できなかった。町内会でバケツリレーの訓練をするなど「自助」も必要だが、木造密集地域の対策をやる。また、例えば江東区は水面下になるので水門や堤防の耐震化も必要。 防災マニュアルのようなものを各家庭に常備薬のように置き、5人家族ならミネラルウォーター何本というようにして、それを定期的に更新していく。学校での防災教育をもっと強化する。3.11のときは車が全然動かなかったので、自転車専用道路を整備していきたい。
■細川護熙氏
脱原発の問題とも大きく絡むが、いま東京都が大変いい地域防災計画を作っているので、メリハリを付け、スピードを上げて実施する。例えば「水と緑の回廊」「不燃化対策」「帰宅困難者対策」「木造住宅密集地域の問題」などが書かれている。江戸時代の東京は「水の都」と言われて素晴らしい景観だったという。「水と緑の回廊」計画は、環境と景観と防災が合わせ備わったもので、魅力ある首都ができるなら素晴らしいこと。 拠点的なビルや大型モールに発電機や備蓄用の食料を備えておくことは、コストかけないでもできる。