『24』より面白い? 今、海外ドラマが花盛り
海外ドラマが花盛りだ。『ゴシップガール』や『ゲーム・オブ・スローンズ』、『アロー』など、海外で大ヒットした作品は、日本でも多くのファンに支持されている。今年に入りWOWOWとWarnerTVの共同開催で『ドラ活 海外ドラマ上映交流会』と称し、さまざまな人気作品の上映会とファンの集いを毎月、開催するなど、市場を盛り上げている。過去にさかのぼると、海外ドラマブームを巻き起こした“元祖”が『ツインピークス』(1990年)、その後、『X-ファイル』(1993年)が登場し、2001年には『24』が話題となった。『24』は、DVDバブルと重なって市場を大いににぎわせた。その後、爆発的にヒットする作品こそ少ないものの、当時以上にクオリティの高いドラマがたくさん日本に上陸しており、海外ドラマ市場は確実に拡大している。 「過去に話題になった海外ドラマの場合、例えば、『X-ファイル』と『それ以外』、という感じだった。『24』も、それ自体は当たりすぎて『24を超える』とか、『24』がキャッチコピーになるなど、代名詞的な印象がだったのですが、インターネットの普及で情報が増え、また、地上波、有料放送、レンタルやビデオ・オンデマンド(VOD)など選択肢が増えているため、視聴者が自分の好きな作品を見ることができる時代になっている。海外ドラマ市場で考えると、『24』などがヒットした頃より劇的に拡大している」とワーナー・エンターテインメント・ジャパンの松尾蔵人さんは説明する。 海外ドラマが面白い理由は、日本のドラマと比較してもケタ違いの製作費だろう。中世を舞台にした『ゲーム・オブ・スローンズ』は、『グラディエーター』を彷彿させるようなアクションなどで、ファンを虜にしている。「海外ドラマは、アメリカでの放送だけで考えていなくて、アメリカ以外の国への配給も予算に組み込まれている。そういった事情もあって、製作費はケタ違いになってくる」(前出・松尾さん)。 生き残りも激しく、1話だけのパイロット作品が当たらなければ、連続ドラマ化されず、また、連続ドラマ化された作品のうち、8割は<シーズン1>だけで打ち切りとなる。日本へ輸出されるものは、シリーズ化されているものがほとんどのため、当然ながら、選りすぐられたクオリティの高い作品を、日本で楽しむことができると言える。
また、マルチメディア化も海外ドラマの市場拡大に寄与している。『ツインピークス』の時代は、ほとんど地上波しか視聴する手段がなく、放送される作品数に限りがあったが、レンタルが普及し、VODで視聴できる昨今、さまざまなドラマを好きなタイミングで視聴することができるようになっている。VODの場合、『見放題』のサービスを提供しているところも少なくなく、気軽にさまざまなドラマを楽しむことができる。 季節は少しずつ、涼しくなり、読書など文化的なものを楽しめる時期になる。秋の夜長、お気に入りの海外ドラマをみつけて、秋の夜長を過ごすのもいいかもしれない。