星稜中の”二刀流スーパー中学生”「いつか160キロを投げたい」、今春には全国制覇を経験
この春、全国優勝を遂げた星稜中の注目投手・服部成(2年生)。135キロ前後の真っ直ぐとスライダーを武器にする右腕は、打撃でも長打でチームをけん引する。 春はケガもあって、全国大会では2試合だけの登板にとどまったが、志太ナイン(静岡)との決勝戦では、5番打者として先制ソロ本塁打を放つなど、チームの優勝に貢献した。 「いつか160キロを投げられる投手になりたい」という服部は、憧れのプロ野球選手は千賀滉大(メッツ)の名を挙げるが、2人の兄も憧れの存在だ。 一番上の兄・翔は今年の春、星稜から慶應義塾大野球部に入部した。高校時代は内野手として甲子園も経験。二番目の兄・航も、この春の選抜高校野球大会で内野手として活躍し、ベスト4入りに貢献した。星稜高校は、秋は石川県大会準々決勝で金沢に4対6で敗れたが、兄の航は本塁打を放つなど持ち前の強打をみせつけた。成は、兄2人についてこう語る。 「一番目の兄は、野球と勉強を両立できているところをとても尊敬しています。二番目の兄は、練習量が本当にすごいです。兄弟の中でも一番練習していて、中々、家に帰ってきません。それを毎日続けているのが本当にすごいと思います」 【一覧】スーパー中学生リスト 成の夢も、兄二人が立った甲子園の舞台に立つことでもあるが、その前に中学3年生となる来年の春の全国連覇、そして夏の全国大会での優勝を目指している。 「今年は3月の全国大会で優勝できましたが、7月に行われた全国大会では3位に終わりました。僕は準決勝で、1点差でリードしていた7回に投げたのですが、無死一、二塁の場面で連打を浴びてしまい、負けてしまいました。3年生を負けさせてしまった悔しい気持ちが強く残っています。その時の気持ちを思い出しながら、練習に取り組んでいます。二度とあの悔しさを味わないために、オフシーズンは、ランニングも素振りも、壁当ても、毎日がんばりたいです。そして来年は、チームの中心となって勝利に貢献できるような投手に成長したいです」 そう力強く語ってくれた服部成。中学最終シーズンの活躍が楽しみだ。
安田未由