暖かい海に生息 海の厄介者アイゴ 宮城・気仙沼魚市場に大漁水揚げ 懸念が広がる
khb東日本放送
アイゴという暖かい海に生息する魚が15日、宮城県の気仙沼魚市場に大量に水揚げされました。生き物の餌やすみかとなる海藻を食べ尽くしてしまうことから海の厄介者と呼ばれていて、漁業関係者に懸念が広がっています。
気仙沼魚市場には、16日もアイゴが水揚げされました。 漁師「多いです。こんなに早く入る魚じゃなかったので、夏場からなんですよいつもは。ちょっと早い」 アイゴは主に西日本の暖かい海に生息する魚で、体長は大きいもので30センチほどです。海藻を食べる雑食の魚で、生き物の餌やすみかとなる海藻が減る磯焼の原因となることから、海の厄介者と恐れられています。 気仙沼魚市場では2020年まで水揚げはありませんでしたが、3年前に初めて定置網に掛かりました。 海水温が記録的に高かった2023年は330キロと急増しましたが、2024年は15日だけで595キロと更に異常な増加を見せています。 東北大学大学院片山知史教授「4月5月は海の中はまだ冬のはずですが、暖かい海の魚がこんなに取れるというのは本当に珍しいことだと思います。異常な海の状態というのが分かります」 海の生態に詳しい東北大学大学院の片山知史教授は、アイゴの増加で磯焼が進行すると宮城県の水産業に大きな影響を及ぼすと指摘します。 東北大学大学院片山知史教授「東北の重要な産品である(海藻を餌とする)アワビとかウニの身入りが悪くなるとか、そういう沿岸漁業に対する影響がまず第一に考えられます。アイゴがもし養殖のワカメとかノリを食べることになってしまうと、沿岸漁業だけでなくて養殖業にも影響が及ぶということになりますので懸念されると思います」 片山教授は、海水温の高さを見ると暖かい海に住む魚が増えるだけではなく、秋にシーズンを迎えるサンマやサケなど冷たい水を好む魚の不漁が続く可能性が高いとみています。
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