《仲間と一緒は嫌?》推し活の現場は「絶対1人で」にこだわる人たちの本音 「みんなで反省会」や「布教活動」が予想外のストレスに
号泣する姿を友人に見られたくない
推し活中の自分の姿を友人に見られたくないというタイプもいる。都内の大学に通うBさん(20代女性)は、ある男性アイドルグループのファン。関東近郊でコンサートがあるときは、必ずといっていいほど現場に足を運んでいる。 「コンサートに行くのは絶対に1人派です。というのも、コンサートで推しを目の前にすると、感動して号泣してしまうんです。そういう姿を友人や家族に見せまいとすると、思い切り楽しめない。誰の目も気にせず、最大級に楽しむなら1人参加がいちばんです」(Bさん) コンサートでBさんは、そのアイドルのグッズのTシャツを着て、ペンライトを振りながら楽しんでいるという。ステージから遠い席の場合は、双眼鏡を使ってステージ上の推しの姿を追いかける熱の入れようだ。 「以前、特に誰かのアイドルファンというではない大学の友達と話していて、何気なく双眼鏡でコンサートを観ていると言ったら、『怖い』とか言われて、自分の当たり前は他人の当たり前じゃないことを痛感しました。そういう経験もあり、誰かと一緒に行くと価値観の違いが浮き彫りになりそうなので、誘うこともないですね」(Bさん)
同行者のチケット手配がストレス
誰かと一緒にコンサートや観劇に行く際、チケットの手配が面倒だという意見もある。神奈川県に住む会社員のCさん(30代女性)は、2.5次元の舞台やミュージカルのファンで、頻繁に観劇をしている。 「昔は2.5次元の魅力を周りの人々にも広めたいと思って、“布教活動”で友人をよく観劇に誘っていました。私の2.5次元好きを知って、連れていってほしいと言ってくる人もいました。いずれも私がチケットを手配し、チケット代も私が立て替えることになります。 そのとき地味に気後れするのが、チケット代を請求することでした。自分から払ってくれる人ならいいけど、なかなかチケット代を払おうとしない人もいて……。チケット代のことを忘れているだけかもしれない人に対して、こっちから請求しにくいし、なかにはこっちから誘った場合、チケット代は当然奢ってもらえるものだと思っている人もいました」(Cさん) また、同行者がいる場合、お互いのスケジュールのすり合わせが必要となるが、Cさんはそれも厄介だと言う。 「舞台は平日の公演が多く、かつ平日のほうがチケットも取りやすいので、私は平日に行きたい。でも、観劇に慣れていない人は、自分の都合がいい土日の公演に行きたがるんですよね。かといって、同行者の都合に合わせて自分の推し活をしなくてはいけないのはストレスです。自分が好きなものを多くの人に知ってもらいたいという思いはあるけど、好きなように応援したい。結局1人観劇がいちばんです」(Cさん) 推し活から、日々の活力や癒やしをもらっている人は多いだろう。自分だけの楽しみを追求するために、“1人コンサート”や“1人観劇”に励む人が多いのは当然のことなのかもしれない。